国語のチカラ ~「読み、書き、表現」アップの鉄則~

対比の記述問題、解き方は? 解答にどの要素を書くか、見極めを

2020.09.29

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南雲 ゆりか
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中学入試で出題される説明文では、ことがらをわかりやすく伝えるために、他のことと対比しながら述べることがよくあります。何と何がどのように違うのか、どちらのほうがどうだと言っているのかを確かめると、文章の理解が深まります。そのため、テストでも対比されていることがらを記述させる問題が出題されます。

今回は、対比に関する記述問題の解き方のポイントをお話ししたいと思います。

対比に関する記述問題とは

「対比」とは二つのものを比べて違いをはっきりさせることです。

たとえば、サクラの特徴をウメと比較しながら述べた文章、日本の自然観と西洋の自然観の違いを説明した文章などが、中学入試でも扱われます。そして、「サクラとウメはどのような点で異なるかを説明しなさい」「日本の自然観の特徴を西欧の自然観と比べながら説明しなさい」といった記述問題が出題されています。

説明文だけでなく、物語文でも「主人公は何と何の間で迷っているかを答えなさい」「主人公の心情ははじめと終わりでどのように変わったか説明しなさい」と、対比の考え方を使う問題が出ます。たとえば、「はじめは、自信がなくて自分の思いをはっきり言えなかった主人公が、自信を取り戻して思ったことを伝えられるようになった」というような変化が起きていれば、そこを答えさせるわけです。

対比しながら記述するポイント

対比して答える記述問題を解く際は、解答に盛り込む要素を的確に選別することが大きなポイントになります。まとめ方にも注意点があります。

① 同じ観点で比べる

二つのことがらを同じ観点で比べることを意識しましょう。「兄は中学生だが、弟は勉強ができる」というのは観点が異なるので対比したことになりません。

また、複数の観点による要素を盛り込む際は、対比することがら両方に、同じ数の要素を入れる必要があります

たとえば、「西洋タンポポと日本タンポポの種子の違いを説明しなさい」という問題に対し、「西洋タンポポの種子は小さく遠くまで飛んでいくが、日本のタンポポは種子が大きい」と答えてしまうケースが見られます。「種子が小さい」と「種子が大きい」は大きさという観点で対応していますが、「遠くまで飛んでいく」に対応する要素が書かれていません。「西洋タンポポほど遠くまで飛ばない」などの内容を補う必要があります。

② 共通する要素は省く

違いを説明する場合、原則として共通することがらは省きます

たとえば、「西洋タンポポも日本タンポポも綿毛のついた種子ができるが、~」などの内容は入れないようにします。

③ 「○は~だが、●は~だ」「○は~だ。一方(しかし)、●は~だ」のような形で書く

答えを書く際に、「種子が小さいか大きいか、遠くまで飛ぶかどうかという違い」というふうに書いてしまう生徒がいます。これでは、どちらの種子が小さいのかわかりません。どちらがどうであるかをはっきり示すように書きましょう

以上の他にもポイントがありますので、問題を解きながら説明しましょう。

国語のチカラ ~「読み、書き、表現」アップの鉄則~

日本とアメリカの両方を説明するのに、60字という字数は少なめです。いきなり書き始めずに、必須の要素を拾い出すとともに、具体例を省略したり言い換えたりするなどの情報整理をしていきます。

④ まとめやすいほうでひな型を作る

アメリカのほうが、被害やどう扱われているかがストレートに書かれています。そこで、こちらから先にまとめて答えの型を作ります。

〈アメリカ〉

A 大繁茂して、(森林の植生を変えたり、建物や電柱を覆ったりするなどの)被害を及ぼしている
B (グリーンモンスターと呼ばれ、)「侵略的外来種」に指定されている
・Aの(  )の部分は具体例なので省きます。
・Bの(  )は悪者扱いされていることを表しますが、「侵略的外来種」に指定されていることを示せばその意味合いになるので省略します。

AとBをつなげると、「アメリカでは大繁茂して被害を及ぼす『侵略的外来種』に指定されている」というひな型ができます。

A=「利となるか害となるか」、B=「どのようにみなされているか」という観点それぞれに対応する要素を日本のほうからも探して整理します。

〈日本〉

A 葛粉や漢方薬を作ってきた → 役に立つ(有用な・有益な)植物とされた 生活に役立ててきたなど
B 昔から親しまれてきた(例:秋の七草のひとつに数えていた)
・Aは具体例なので、「役に立つ」「有用」「有益」などの言葉で抽象化します。
・Bの「秋の七草のひとつに数えていた」は、「親しまれてきた」ことの事例ですから省略できます。

AとBをつなげると、「日本で役に立つ植物とされ、昔から親しまれてきた」となります。

以上をつなげて「日本では役に立つ植物とされ、昔から親しまれてきたが、アメリカでは大繁茂して被害を及ぼす侵略的外来種に指定されている。(58字)」などとまとめれば答えとなります。

5年生に解かせてみると、「日本では昔から親しまれてきたマメ科のつる性の多年草だが」と書き出してしまうことがあります。「マメ科のつる性の植物」であることはアメリカでも変わりありませんから、解答に含めてはいけません。

また、アメリカの説明として、「緑化するのに役立った」と書いてしまうケースもあります。緑化どころか大繁茂して害を及ぼしているので、これも解答には入れないようにします。

このように、対比されていることがらをまとめる練習をすると、情報が整理できて理解が深まります。自分で文章を書くときにも対比を使ってわかりやすく表現する工夫をしてみるとよいでしょう。

解答の取り換え)国語のチカラ

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