コロナでどうなる大学入試

高校の進路指導は2カ月遅れ 進路相談のプロに聞く

2020.09.25

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中村 正史
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総合型選抜(旧AO入試)の出願が9月15日から始まり、2021年度の大学入試が動き出しました。今年は新型コロナウイルスの影響で、大学受験も例年とは大きく異なっています。元公立高校校長で、全国の高校を回って生徒たちの進路相談を受けている山口和士・日本進路指導推進協議会会長に、現状を聞きました。(写真は高校で講演する山口氏)

山口和士さん

話を聞いた人

山口和士さん

日本進路指導推進協議会会長

(やまぐち・かずし)2016年、群馬県立高崎東高校の校長を退職し、全国の高校で生徒、教員、保護者向けの講演会や進路指導相談を行う。20年3月まで関東学院大の特任教授、4月から群馬医療福祉大の特任教授、入試広報センター長を兼ねる。

大都市を敬遠、地方の大学を目指す傾向 

年間約250校の高校から依頼されますが、約50校を回って講演し、生徒たちから進路指導の相談を受けています。今年は新型コロナで3月から自粛していましたが、7月に再開しました。

生徒たちは不安でいっぱいです。地方の高校生は都市圏と違って入試情報が入ってこず、大学のホームページなどで昨年の情報を見て想像するしかありません。高校の教員は生徒の面接ができておらず、詳細な実情がわかっていません。予備校などの模試のデータが出ていないし、教員対象の入試説明会も開かれていないので、情報がない。私の感じだと、例年の進路指導より2カ月遅れています。

指導した全国の高3生に5月に意識調査をしましたが、約380人のうち1割が「自宅から1~2時間で行ける地方の大学に進みたい」と答えています。学びたい学問は都市部でなくても学べると思っています。新型コロナで、地方の優秀な生徒が東京の大学を目指さずに、地元の国公立大や私大を受ける傾向もあります。

オープンキャンパスを中止した大学が多いなか、群馬医療福祉大学(前橋市)は人数制限により感染予防を徹底し、7回に分けて実施しました。すると東京や静岡などからも参加希望者が出ました。今まではなかったことで、受験生は確かな情報を得たいのだと思います。

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