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めざすのは「ドラえもん」、人に寄り添うAIを開発 愛知産業大学 スマートデザイン学科

2020.09.30

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西島 博之
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さまざまな場面でAI(人工知能)の活用が広がるなか、従来とは異なる概念のAIをデザインし、ビジネスにつなげるクリエーターを育てる学科が愛知産業大に誕生した。めざすのは、一人ひとりに寄り添う「ドラえもん」のようなAIだ。

2019年4月に開設したスマートデザイン学科では、一人ひとりのユーザーの不安や悩みに応える「人に寄り添う人間中心型AI」の制作を行う。伊藤庸一郎教授は学科開設の背景についてこう話す。

企業はCSV(共有価値の創造)を重視するようになり、経済的な利益と同時に社会的な問題の解決を追求するようになっています。今後は、人と人の関係に積極的に介在する、新しいものづくりやサービスが増えてくるでしょう」

コンシェルジュ、コンサルタント、カウンセラーといった専門家に代わって個人をサポートするAIが求められる、と伊藤教授は言う。たとえば、その日の行動や天気を予測してユーザーの服装やヘアスタイルをAIが提案する――。

「『ドラえもん』をイメージしてもらえるとわかりやすいかもしれません」(伊藤教授)

4年間で最新AIを使いこなす

学生はAI生成プラットフォーム「Thinkeye(シンクアイ)」を配布され、自らの興味や好奇心などに従ってAIをデザインしていく。Thinkeyeは「Explainable(説明可能な)AI=XAI(ザイ)」の考え方を採用したAIで、伊藤教授が開発したものだ。

「XAIは最近、世界的に注目されているもので、導いた答えに至るまでの経緯を説明できるAIです。本学科はXAIを使いこなすことを目的とした日本初の学科となります」

学生は1年次にAIが必要な理由やニーズ、AIの制作手順を学び、2年次で人間中心型のAIをつくるためのデザイン思考や、AIがユーザーと会話し寄り添うために必要なこころの描写手法などを修得。3年次以降の実践的なAIの開発へとつなげていく。

4年間でAIを実際のビジネスに使えるようにするためのカリキュラムを組んでいるのが本学科の特長です」(伊藤教授)

愛知産業大
AI生成プラットフォーム「Thinkeye」を使って学生は自分なりのAIを制作する(写真提供/愛知産業大)

企業との連携を進める

伊藤教授をはじめ、同学科の教員12人のうち約半数が企業でAIビジネスや研究開発の最前線に立つ実務家だ。授業はゼミ形式を基本とし、学生は将来的なAIビジネスの方向性について教員から直接学ぶことができる。 

教員が間に立ち、企業との共同研究も積極的に進める。企業が学生に直接学費を支援する「ダイレクトスカラシップ」を推進しているのも大きな特長だ。スカラシップを獲得した学生は3年次から企業のニーズに応じた研究開発を行い、卒業後はその企業への就職をめざす。すでに多くの大手企業が同学科の学生に興味を持ち、見学に訪れているという。

宇井朗浩学科長はこう話す。

「開設から1年半。これまでにない学びができる学科として、高校生や企業、自治体などに認知されてきました」

愛知産業大
ゼミ形式を中心とした授業。「課題には関係なく、学生からは週に何本もメールが来ます」と伊藤庸一郎教授は話す(写真提供/愛知産業大)

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