コロナ時代の「留学」

オンラインで「留学」、単位もOK 東北大と立命館大の取り組み

2020.10.01

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上野 創
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コロナ禍が収束しないなか、国境を越えた学びや交流をどう継続していくか、各大学が模索している。海外の大学と提携し、学生がオンライン上で議論するプログラムや、録画された動画を見た上で参加する講義など、手法は様々だ。東北大と立命館大の取り組みを取材した。(写真は、東北大グローバルラーニングセンター副センター長の末松和子教授(右)が、オンラインで実施した「国際共修」の授業の様子。東北大の日本人学生と留学生が参加し、グループワークなどを通して新型コロナウイルスが経済、医療などの分野に与える影響を話し合い、発表した=7月撮影、同大提供)

夏季研修、今年はオンライン 東北大

「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の問題は、少子高齢化や地方の過疎化について解決の機会になると思いますか?」

9月4日、米モンタナ大のブライアン・ドードゥル先生が、同大と東北大の学生約40人に英語で問いかけると、「Yes」「No」「How?」「Maybe」などの書き込みがパソコン画面に表示された。その後、音声をつなぎ、意見交換が続いた。

両大学が9月1日から開いた2週間の海外研修プログラム。例年は、東北大の学生がモンタナ州ミズーラ市を訪れ、現地の学生やホストファミリーと交流しつつ、お互いの国の文化や環境問題を英語で学んでいた。だが、今年は渡航できないため、初めてオンラインで開いた。東北大が費用の多くを出して学生の負担を1万円に抑え、事前授業と事後授業も行い、1単位を取得できるようにした。応募は20人の定員を上回った。

双方向でやり取りできる同期型の授業と、録画された動画とを混ぜて行われた。4日の授業は、事前に学生たちが動画を見たうえでの同期型の授業で、開始は日本時間の朝9時、現地は前日午後6時。日本の歴史や文化を教えるモンタナ大のクラスに、東北大生を招く形で行われた。

 ドードゥル先生は「Good evening, and good morning」と挨拶をした後、パワーポイントを使い、少子高齢化、過疎化という日本の抱える社会問題を英語で説明。アメリカでは、地方では高齢化が進んでいるものの、都市部では若い世代も多い。「理由は?」と尋ね、学生からの「移民が来るから」と意見を受けると、「そうですね。日本はほとんど移民を受け入れていません」と話を続けた。

授業の途中で3回ほど、日米の学生が混ざるように小グループに分け、意見交換の時間を作った。その場で出た意見を全体の場で発表させるということを繰り返し、2時間の授業はあっという間に終わった。

マレーシアの大学の授業、3週間で2万円

【留学】東北大
マレーシアに留学したい

東北大は、8月末からと、9月中旬からの2回、マラヤ大(マレーシア)のプログラムにも参加できるようにした。こちらは3週間で、費用は2万円。2単位が取得できる。

8月に開始のプログラムは英語学習コースで、文法と「書く」「話す」「読む」、マレーシア文化の計五つのテーマで行われた。東北大生4人のほか、別の日本の大学の学生、マラヤ大の学生、タイの学生からなるクラスで、約20人が参加。東北大の学生一人ひとりには、バディと呼ばれる地元大学生がついて、授業時間外もオンラインでやりとりした。 

参加した工学部1年の男子学生は、留学は考えていなかったが、安さにひかれて申し込んだ。「研究していくうえで英語を使う場面もあると思い、聞く力と話す力を伸ばしたくて参加した。バディの男性とは、授業時間外に休日をどう過ごしたか話したり、オンラインゲームをしながら文字でチャットしたりできて、楽しみながら英語の能力を上げられた」と話した。

薬学部1年の女子学生は「将来は英語も必要だと思って参加したけれど、海外に行ったこともないので、不安だった。英語漬けで授業はだんだん分かるようになったし、オンラインでの参加はむしろ緊張しなくて良かった。マレーシアに行ってみたいとすごく思いました」。

 担当した東北大グローバルラーニングセンターの渡部由紀准教授は「モンタナ大もマヤラ大も以前から協力関係があったので、オンラインの企画でも安心して準備を進められた。現地に行けないながらも、費用負担が少なく、参加しやすいプログラムを学生に提供できたので良かった」と話す。

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