エデュアお悩み相談室

塾の志望校別コースに入れず 公立中に方針転換すべきか迷い 保護者がやるべきことは…

2020.09.30

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小川 大介
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  • 本人の学習努力と成果を一つひとつ認めながら振り返る
  • 選べる学校は他にもあるという心の落ち着きを
  • どんな選択をしていくか親子でゆっくりと話し合って

《質問者》
私立中を目指す息子が塾で志望校別の選抜コースに入れず、「公立中にしようかな」と口にするようになりました。学区域の公立中は評判がよく、親は夫婦ともにそこでいいと思っています。受験まで励まし続けるか、早めに方針転換させるか、どちらがいいのでしょう。(東京都 小6男子の母)

今号の回答者は、教育家の小川大介さん

《回答》 根拠のある自信を持たせて

お子さんはこれまで本当にがんばってきたのですね。いま親として大切なことは、彼の心に何が起きているのかを理解することです。私には、自信の喪失と短期目標を描けないことから来る不安が見えます。

息子さんの言葉からうかがえるのは、これまでの学習において彼がテストの成績や宿題を終わらせることなどの「結果」にばかり目を向けてきた様子です。自分が身につけたことの振り返りや確認よりも課題をこなすことを優先してきたために、希望する選抜コースに入れず、志望校に向けての課題を塾から与えてもらえないことで、何をがんばればいいのか分からなくなったのだと思います。「公立中にしようかな」という言葉には、がんばり続けてきた彼だからこその耐え難さが感じられます。

ですから親御さんとして今取り組んであげたいことは、彼に根拠のある自信を持たせてあげることです。5年生の夏休み以降のテストを並べて、「この時期は割合の理解をがんばったよね」「30字ぐらいの記述が書けるようになったね」「浮力で苦労したけれど基本問題はもう大丈夫だもんね」と、本人の学習努力と成果を一つひとつ認めながら振り返ってください。努力の蓄積は自分の身についているという手応えを本人が感じることが大切なので、細部にはこだわらずおおまかで結構です。

親御さんが公立進学に肯定的なのは受験選択に余裕を生みますね。ただ今のお子さんの状態では、公立進学を選ぶことイコール「自分はダメだった人」という心の傷を残しかねません。多少なりとも自信を取り戻し、自分の力と努力できる姿勢の回復を考えれば、もともとの志望校には届かないかもしれないけれど、選べる学校は他にもあるという心の落ち着きはもたらしてあげたいですね。

公立中に進学して高校受験でもう一度チャレンジする、自分にとってもっと魅力的な学校を選ぶという道もあることを教えてあげた上で、どんな選択をしていくか親子でゆっくりと話し合ってください。

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