中高受験 男子校・女子校という選択

別学か共学か、メリット・デメリットは おおたとしまささん「強みと弱みを見定めて」

2020.10.05

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葉山 梢
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受験シーズンが近づいてきました。男子校や女子校への進学を視野に入れている家庭も多いのではないでしょうか。男女別学と共学はどちらがいいのか。育児・教育ジャーナリストのおおたとしまささんに聞きました。

おおたとしまささん

話を聞いた人

おおたとしまささん

育児・教育ジャーナリスト

1973年生まれ。麻布高校、上智大英語学科卒業。著書は「名門校とは何か?」「新・男子校という選択」「新・女子校という選択」など60冊以上。

別学減少の原因は男女平等意識と少子化

全国の高校約4800校のうち男子校・女子校は1割もありません。多くは私立校で、公立は東日本を中心にわずかに残るだけ。徐々に減ってきており、1990年代以降は減り幅が大きくなっています。

減少には、二つの理由があります。

一つ目は、1985年に男女雇用機会均等法、1999年に男女共同参画社会基本法が制定されるなど、男女平等の社会的意識が高まってきたためです。社会の変化を受けて2000年代以降、早稲田や中央、明治など人気大学の付属校のなかにも、共学化する学校が出てきました。

もう一つは、少子化の影響です。公立は学校統廃合の際に効率化したいという理由から、私立は「受験生や生徒を確保したい」という経営面の理由から、共学化が進みました。渋谷教育学園渋谷、市川学園、広尾学園など、男女別学の中学・高校から共学にリニューアルし、人気が急上昇した学校がたくさんあります。

「学校は社会の縮図であるべきだから共学のほうがいい」という意見をよく聞きます。しかし、本当にそうでしょうか。現実の問題として、社会にはまだジェンダーによる格差や偏見があります。それがそのまま学校に持ち込まれたら、偏ったジェンダー観が再生産されかねません。

思春期は自分なりの規範を設け、自分の生き方を探す時期です。共学の場合、その過程に異性の目が入ることになります。同じ学校にいる異性がニュートラルなジェンダー観を持っていれば問題ありませんが、社会の偏りが持ち込まれると、「男は強くないと」「女は控えめに」というゆがんだジェンダー観を植えつけられることになりかねません。

その点、別学なら異性の目が入らない環境で自分を形作っていくことができます。「生徒会長は男子がやるべき」「運動部のマネジャーは女子」など偏った性別役割意識にとらわれ、自分を型にはめてしまうことはありません。

中学生や高校生は、近くに異性がいると服装や髪形、ふるまいなど外見的な部分に意識がいきがちですが、これも別学なら誰も気にしません。「女子は理数系が苦手」「男子は語学系が弱い」といった先入観にとらわれることもない。海外の研究では、別学のほうが学力が伸びやすいという報告が多数あります。

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