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未来予想に基づく「幸せ学」 日本で唯一、明海大不動産学部の学びとは

2020.10.14

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鈴木 絢子
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「不動産学」は欧米では一般的な学問分野だ。物件を単なるモノとして扱うのではなく人間と土地、建物のかかわりを、環境や経済などさまざまな観点から研究・解明する。日本国内では唯一、明海大学が「不動産学部」を有している。(撮影/朝日新聞出版写真部・高野楓菜)

「不動産とは何か」はなんとなく理解できても、「不動産学」で何を学ぶのかは想像しにくいかもしれない。学部長の中城康彦教授は、この学問の重要性を次のように説明する。

「人は必ず住む場所を必要とします。学校も会社も、街は不動産でできています。快適な日常を支える『土地と建物』について考える不動産学は、生きている限りすべての人にかかわりのある学問なのです」

明海大では、四つの柱を立てて不動産学を教える。「法学」で不動産を取り巻くルールを学び、「経済学」で物件の価格や家賃の状況を知る。「工学」を究めて建築士を目指すこともできるし、「経営学」では不動産の資産活用を考える。各分野の基礎を身につけた後、2年次からは「ファイナンスコース」「ビジネスコース」「デザインコース」に分かれてさらに専門性を高めていくというカリキュラムだ。資格取得のサポートも手厚く、2年次までに宅建士(宅地建物取引士)資格の全員取得を目指す。

不動産は社会情勢を映す鏡

同学部の主な就職先は不動産企業のほか、鉄道会社や金融機関、公務員など。中城教授は卒業後についても太鼓判を押す。

「不動産業界は年を取るほどいい仕事ができるとされています。個人の不動産契約は女性が主導することも多いので、女性社員の需要も多く、長く働くことができる環境といえます。OB・OGが採用担当として大学に戻ってくることもありますし、在学中から将来につながる人脈ができることは大きな強みになります」

長く働いても、仕事が単調で退屈なものになることもない。不動産の状況は、世相を映して常に移り変わるからだ。中城教授は続ける。

「コロナ禍で多くの飲食店が閉店したり、企業が倒産したりしています。テレワークの導入も土地や建物の価値を変化させるでしょう。不動産を考えるということは、現時点の社会情勢を把握して未来を予想することの繰り返し。時間を往復する発想が求められます」

一級建築士であり不動産鑑定士でもある学部長の中城康彦教授。「実社会で失敗しながら学ぶしかなかったことを、ここではリアルな知識として習得することができます」
一級建築士であり不動産鑑定士でもある学部長の中城康彦教授。「実社会で失敗しながら学ぶしかなかったことを、ここではリアルな知識として習得することができます」

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