中高受験 男子校・女子校という選択

「男/女らしさ」気にせず、伸び伸びと人格形成 専門家に聞く別学のメリット

2020.10.09

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葉山 梢
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「社会には男女両方がいるのだから学校もその方がいい」と言われることがありますが、本当にそうなのでしょうか。ジェンダーの問題や女子教育に詳しい京都光華女子大学の加藤千恵副学長に聞きました。

加藤千恵副学長

話を聞いた人

加藤千恵さん

京都光華女子大学 副学長

かとう・ちえ/慶應義塾大大学院社会学研究科修士課程修了。東京女学館大学教授を経て京都光華女子大学教授。専門は社会学、ジェンダー視点のキャリア教育。京都市男女共同参画センター(ウィングス京都)館長も務める。

萎縮せず「安心できる場」

内閣府が2018年、民間シンクタンクに委託して実施した調査によると、子どものころ親や家族から勉強について、「男の子だから」「女の子だから」と性別を理由に何かを制約されたり推奨されたりした割合は、男性の方が高くなっています。しかも、女性は若い世代ほど性別による制約・推奨を受けた割合が減りますが、男性は年代による差があまりありませんでした。

子どもの頃に「勉強」について性別を理由にした発言をされたかどうか
※2018年度内閣府委託 「多様な選択を可能にする学びに関する調査」から

ジェンダーについての理解の深まりや法整備によって、性別によるあからさまな差別は減っていますが、「アンコンシャス・バイアス」(無意識の偏見)はまだ残っています。この調査からは、「男の子はしっかり勉強しなくては」という思い込みが残っていることが読み取れます。

他方、女性の側も「ガラスの天井」という言葉に象徴されるように、社会や企業の中ではまだまだ不利益をこうむっています。女子校で多くのロールモデルに出会い、女性のキャリア形成を支援する教育を受ける意義もそこにあります。

男女ともに大人になれば、様々な偏見が残る社会のなかで生きていくことになります。だからこそ多感な時期に、異性からどう思われるかを気にせず、「男/女らしさ」より自分の個性を発揮できる別学で過ごした経験は貴重ではないでしょうか。

女子だけの学校は「セーフ・プレース(安心できる場所)」だと思います。同年代の異性からの言動に委縮することなく、安心して勉学や仲間づくりに励める場所という意味です。それは、男子にとっての男子校も同じでしょう。人格形成の大事な時期に、伸び伸びと過ごせる効果は大きいと思います。

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