公立高の逆襲

一貫校②仙台二華◆課題研究を土台に国際バカロレア認定校に 世界に貢献する人材を育成

2020.11.13

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柿崎明子
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6年間の中高一貫教育は、かつては私立の独壇場でした。文部省(現・文部科学省)が学校教育法を一部改正し、1999年度に公立の一貫校が誕生。ほぼ全国に広がりました。各校が特徴ある学びを実践し、難関大学の合格実績も伸ばしています。先進的な取り組みを行っている宮城県仙台二華高校・中学校を取材しました。(写真は、オールイングリッシュで行われる国際バカロレア〈IB〉コースのプレ授業。来年度のIBコースを希望する高校1年生が対象だ)

宮城県仙台二華高校・中学校

宮城県第二女子高校を母体に、2010年度に仙台二華高校に改称、共学化し、仙台二華中学校を併設して中高一貫校に。14年度スーパーグローバルハイスクールに指定、20年9月IBワールドスクールに認定。

英語で経済学の授業、活発に議論も

英語ネイティブ教員による、経済学の授業。需要と供給の関係がテーマだ。どのような状況下でどのような値段設定にすれば売れ行きが上がるのか、教員から課題が出されるたびに、生徒は2~3人に分かれて日本語で議論を交わす。授業中も生徒は活発に意見を述べ、ときには教室に笑いも起きていた。宮城県仙台二華高校の国際バカロレア(IB)プレ授業の一コマだ。

同校は2021年度から東北の公立高校としては初めて、IBの高校課程にあたるディプロマ・プログラム(DP)のクラスを導入する予定だ。2~3年生が対象で、「普通類型」の文系、理系に加え「IB類型」のコースを選べるようになる。今年度はIBクラスを希望する1年生を対象に、プレ授業を実施している。この日の参加者は7人。その一人、石川陽春さんはIBクラスを希望する理由を、「相手の意見を聞くことで自分自身の考えも深まる。IBは生きるための力になる学びだと思う」と話す。佐々木怜美さんも「経済学自体が初めて学ぶ内容。お金が動くシステムがわかって面白い。普段の授業ではここまでディスカッションしない。大変だけどやりがいがある」と、手応えを感じているようだ。「海外で教育を学び、日本と比較したい」(埜村照さん)、「英語が得意なのでIBのことを調べて興味を持った」(酒井丈太朗さん)など、海外の大学への進学を目指す生徒も期待を寄せる。

授業はオールイングリッシュだが、「わからない経済用語もあったけど、ほぼ理解できた」と生徒たちは語り、英語力の高さがうかがえた。ネイティブの教員からも「講義の内容が理解できており、課題を与えると結果を出してくる。レベルは相当高い」と、お墨付きをもらっている。IBクラスは定員25人とし、1回の授業は原則100分かけて行う。教員は科目専門のネイティブと日本人教員とのチームティーチング。数学や理科は英語で授業を行うが、日本語での質問も受け付ける。

IBプレ授業では、英語ネイティブの教員2人が後ろから見守っていた
IBプレ授業では、英語ネイティブの教員2人が後ろから見守っていた

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