公立高の逆襲

注目校②市立西宮◆高大接続の厚みが支える理系教育 入試制度改革が躍進のきっかけに

2020.11.16

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柿崎明子
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「市西」の愛称で親しまれている兵庫県西宮市立西宮高校。理系の専門学科が牽引し、大学進学実績を伸ばしています。1949年以来、夏の甲子園大会で毎年、女子生徒が出場校のプラカードを持つ大役を担う伝統校で、なかには祖母、母親とともに3代にわたり甲子園のグラウンドを歩いた生徒もいるそうです。(写真は電動ドリルにサッカーボールを刺して実験する2年生=MIKIKO撮影)

兵庫県西宮市立西宮高校

1920年、西宮町立西宮高等女学校として設立。86年度に「普通科理数コース」を設置し、2004年度から専門学科「グローバル・サイエンス(GS)科」に発展。今年、創立100周年を迎えた。

「グローバル・サイエンス科」でテーマ研究

電動ドリルに突き刺したサッカーボールを高速回転させ、煙を吹き付ける男子生徒2人組。2年生の上田悠斗さんと疋田翔吾さんが行っているのは、「マグヌス効果」の検証だ。回転するボールの周りで空気の流れがどのように変化しているのか、煙を使って可視化する。実験のやり方や装置は自分たちで考えた。2人はサッカー部員。研究テーマを選んだ動機を「ボールをけったとき、ける場所によって軌道が変わる。どういう原理が働いているのか知りたかった」と話す。

生物室では、幸田結菜さん、長岡楓月さん、西村優彩さん、山岡咲季さんのグループも、納豆や腐葉土から検出した菌を培養して、わさび、ニンニクの抗菌作用を調べる実験を行っていた。

わいわいとにぎやかなグループ実験とは対照的に、もの静かなのは数学がテーマの教室だ。2人の男子生徒がひたすらノートにペンを走らせ、時々教員に質問を投げかける。上野仁さんは陣取りゲームの必勝法、村岡玲さんは位取り記数法の研究に取り組んでいる。2人を指導する教員は「今までの教員人生で、受けたことのない質問をぶつけてくる。こちらも生徒から学んでいる」と話す。

同校のグローバル・サイエンス(GS)科は、「テーマ研究」の授業で、それぞれが決めた課題に取り組む。1年生の最初に研究方法などのレクチャーを受け、5~6月頃からテーマを決めて研究に取りかかる。グループでも個人でもOK。学年末には代表チームが、県サイエンスフェアで発表を行う。昨年はリニアモーターカーを作ったチームなどが出場した。2年生で1年間かけて深掘りし、年度末にポスターセッションやパワーポイントで発表。3年生は研究成果を英語でプレゼンテーションする。

数学のテーマ研究に取り組む男子生徒=MIKIKO撮影
数学のテーマ研究に取り組む男子生徒=MIKIKO撮影

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