新しい教育のカタチを考える
農業高校が元気だ! 洗浄剤開発・盆栽輸出……学ぶのは「課題解決策」
2020.11.13

育てた馬、2500万円で落札
全国の農業高校や農業系学科では、ユニークな取り組みが進められています。
北海道新ひだか町にある、道立の北海道静内農業高校は今年の夏、とても盛り上がりました。サラブレッドの子馬を生産する唯一の公立高校として知られていますが、町内にある日高軽種馬農業協同組合北海道市場のサマーセールで、生徒たちが世話した「健叶(けんと)」が2500万円の高額で落札されたからです。同高校からの出品としては過去最高額。もちろん、生徒たちは大喜びです。
担当した小林忍教諭は「道外からも多くの反響がありました。生徒たちは、ふだんからせりに出荷できるまで心を込めて子馬を飼います。必要な時は週末も出て世話をしています」と話しています。

大分県立久住高原農業高校は、「チャレンジMy農場」に取り組んでいます。一つの品目を選び、経営計画から種まき、生産、販売まで生徒一人ひとりが責任を持って「経営」するのです。教育科目にとらわれず、生徒の興味に合わせて組み立てるユニークな授業です。
佐藤智之校長は「非農家出身の生徒が多いため、細切れではなく年間を通じて農業を知ってもらいたい」と狙いを語ります。
同校は1学年40人という日本一小さな農業高校として2019年春に誕生しました。東京や大阪、福岡などでイベントを開き、中学生向けに国内留学を呼び掛けています。今年の1年生の中で8人が留学組。「今年のオープンキャンパスには20人以上が県外から参加しました。みんな農業に興味があると話していました」と佐藤校長は来年の入学を期待しています。