オンライン入試の現在

大学入試、感染予防でオンライン対応進む 面接中心 筆記・口頭試問・実技でも

2020.11.20

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上野 創
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新型コロナウイルスの感染予防のため、今年は総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜(旧推薦入試)で「オンライン入試」を採り入れる大学が急増しました。大学、学部によって方法は異なり、どこも試行錯誤の末に本番を迎えています。感染リスクを気にしたり、遠くに住んでいたりする受験生には好評のようです。(写真は、大正大の総合型選抜のオンライン面接)

「移動せずに面接、助かる」と受験生

10月24日朝、東京・西巣鴨の大正大には総合型選抜の2次試験を受験する生徒らが続々と訪れ、入り口で手を消毒してから模擬講義や個別面接の会場へと向かった。一方、敷地内の別の建物では、各学科の入試対応の担当者たちが、オンラインでの面接を始めようとしていた。

同校は今年初めて、入試でオンライン面接を採り入れた。流れは次のようなものだ。

受験生が自宅などから、パソコンやタブレット、スマートフォンで、指定されたテレビ会議システム「Zoom」のURLをクリックすると、大正大の入試担当者や他の受験生がアクセスしている画面につながる。ここがいわば「待合室」で、同大学の入試担当者が、受験番号や名前、受験票を確認する。試験開始時刻になると、大学の各学科の担当者が待っている「部屋」(ブレイクアウトルーム)に順番に送られ、面接が始まる。

千葉県の私立高の女子生徒(18)は、制服姿で自宅のパソコンからアクセスし、文学部歴史学科の文化財考古学コースの面接に臨んだ。

「どうぞ、この学科を志望した理由を教えてください」。ノートパソコンの画面に映った担当の教員からそう言われ、学芸員を目指していることや、入学後に学びたいことなどを話し始めた。

受験後、女子生徒は「普通の面接よりも、オンラインの方が気楽な感じで緊張しなかった。自宅で受けられたからだと思います」と話した。

両親が高齢者福祉関係の仕事なので、自分も新型コロナの感染予防には気を遣っている。東京まで受験しにいくと感染リスクがあるが、オンラインも選択できると知り、「私が感染すると親が大変なので、東京まで行かなくて済み、助かると思った。迷わず選んだ」と言う。

高校ではオンライン授業の経験がなく、先生からも今回の面接への助言は受けられなかったので不安もあったが、大正大のオープンキャンパスや事前の接続テストでZoomを使ったので、ある程度は慣れて心強かったという。

大学側は総合型の2次試験に関しては、スマートフォンでの受験も認めていたが、女子生徒は自宅にある親のパソコンを借りた。ただ、通信状況が心配だったので、Wi-Fiのほか、有線でつなぐ準備もしておいた。

当日に不具合が起きたのは、大学の側だった。面接中に音声が一時的に聞きづらくなり、女子生徒が「質問が聞き取りづらかったのでもう1度、お願いします」と思い切って伝えると、面接担当者が機器を調整してくれて、クリアになったという。

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