コロナ時代の「留学」

高校生の留学に逆風 国内で体験できることは? 桐蔭、湘南…… 自治体も模索

2020.11.23

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上野 創
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柏木 友紀
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コロナ禍が留学をめざす高校生たちを直撃している。苦労の末に渡航し、海外で学ぶ機会を得た生徒がいる一方で、渡航すらままならないケースも少なくない。そんななか、日本にいながら国際交流や語学習得の機会を提供する試みも広がっている。(写真は、湘南高校の海外体験授業の様子。香港の高校生とオンラインで結び、日本文化などについて話した=10月、神奈川県藤沢市)

「トビタテなくても機会を」 国は支援模索

コロナ禍の収束がみえないなか、国や自治体の留学支援も模索を続けている。

文部科学省と民間企業が協働で行う「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」は4月、今年度の採用活動を中止し、応募した人たちに伝えた。これまで約7600人の若者を海外へ送り出してきた。最近は特に、高校生の留学促進に力を入れていたが、安全面などから、中止せざるをえなかったという。

代わりに国内での高校生向けの企画として、日本と世界の社会問題を学ぶプロジェクトを10月から無料で始め、170人が参加している。国連の持続可能な開発目標(SDGs)の課題から、貧困、ジェンダー、まちづくり、気候変動、生物多様性の五つを選定。有識者によるオンライン講義や意見交換を経て、今月末にはリポートを提出させ、来年1月には成果発表会も開く。

「海外にトビタテない状況でも、高校生が留学への意欲と関心を持てる機会を作りたかった」と事務局の西川朋子さんは話す。

トビタテ!JAPAN
文科省の「トビタテ」が高校生向けに企画した社会問題を学ぶプロジェクトのホームページから

都教委は事前研修スタート

東京都教育委員会は、都立高生が対象の留学推進事業「次世代リーダー育成道場」で、8月に米国とカナダへ行く予定だった99人の渡航を中止した。

8年前から毎年約150~200人を選考し、1月からオセアニアへ、8月から北米へと派遣してきた。事前、事後の研修を含め、生徒側の費用負担は80万円。保護者の収入次第では減免もある。

昨夏から留学していた99人は3月中に帰国させて修了とし、1月に渡航した98人は留学を継続。しかし感染が広がるなか、新たな送り出しは断念せざるをえなかった。

それでも9月には、来年3月と8月の渡航をめざして、195人の都立高生を選考。先月、入校式を開き、日本の歴史や文化について学んだり、英語力を伸ばしたりする事前研修を始めている。

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