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綿矢りささん 京都市立紫野高校 高校生で作家デビュー、きっかけはネット世界の衝撃

2020.12.17

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橋爪 玲子
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17歳で作家としてデビューした綿矢りささん。その2年後の作品「蹴りたい背中」で史上最年少の芥川賞を受賞し、世間を驚かせました。いったいどんな子ども時代だったのでしょうか?

綿谷りさ

話を聞いた人

綿矢りささん

作家

わたや・りさ/1984年生まれ、京都府出身。京都市立紫野高等学校在学中の2001年に「インストール」(河出書房新社)で第38回文芸賞を受賞してデビュー。早稲田大在学中の04年に「蹴りたい背中」(河出書房新社)で第130回芥川賞を、12年には「かわいそうだね?」(文芸春秋)で第6回大江健三郎賞を受賞。16年に執筆した「私をくいとめて」(朝日新聞出版)は実写映画化され、20年12月18日公開。

子どものころから本が好きだったそうですね。

幼いころ、両親によく読み聞かせをしてもらっているうちに、字が読めるようになったのがうれしかった記憶があります。両親には本はいくらでも買ってあげるといわれていたので、そこは私にとって一番ぜいたくなところでした。

小学校時代ですが、本を読むとスタンプを押してもらえる預金通帳みたいなものを、担任の先生がひとりひとりに作ってくれたんです。1ページがスタンプでいっぱいになると1円たまるしくみです。スタンプがたまるのがうれしくて、夢中になって本を読みました。

高校時代に作家デビューしましたね。

高校は、普通科でも英語を重視するクラスがある学校を選びました。入学するとみんな英語が上手な子ばかりでちょっと自信をなくしましたね。学校自体は私服でとても自由でした。高校2年生のときに短期留学に行くのがこのクラスの特徴なので1年生はそれに向けて英語を重点的に学びました。留学したのはアメリカのサンフランシスコです。人の家に泊まると緊張する私が、アメリカに住んでいるインド人の家にホームステイをすることに。部屋にはインドの神様のポスターが飾ってあったり、本場のインド料理を食べさせてもらったり。アメリカとインドの両方を知ることができた得難い経験となりました。

綿谷りさ
高校時代の綿矢さん(本人提供)

2年生の後半になると、そろそろ進路を決めないといけません。私は本が好きなので、将来、本と関係がある仕事につきたいと考えていました。そんな時期にちょうど太宰治を読み、自分の気持ちを描いて物語を進めていくやり方を知りました。ならば書いてみようと、小説を書き始めました。高校2年生のときに書いたのが「インストール」です。母が当時めずらしかったパソコンを買ってきて、私自身もときどきインターネットにつなぐようになると、衝撃を受けました。高校と自分の家しか知らない世界で生きてきた中で、全然知らない世界にアクセスできることがすごく面白くて、その世界を描きたいと思ったんです。

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