早生まれに負けない子育て

早生まれの不利はどうすれば解消? 「異年齢と交流し、非認知能力を育もう」

2021.01.06

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斉藤 純江
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最近の研究で、早生まれの子は学力やスポーツなど様々な面で長く差が残ることが分かってきました。この差はどうすれば解消できるのでしょう。幼児教育などに詳しい無藤隆・白梅学園大名誉教授に聞きました。

無藤隆

話を聞いた人

無藤隆さん

白梅学園大名誉教授

むとう・たかし/専門は発達心理学、幼児教育、学校教育。文部科学省の中央教育審議会委員も務めた。元白梅学園大学長。

「大人になっても不利益はなくならない」

ほとんどの国では、子どもは4月や9月など決まった時期に、一斉に小学校に入学します。このため、同じ学年であっても早生まれの子と遅生まれの子の間にはおよそ1年の幅が生まれます。小学1年生にとっての1年は人生の6分の1から7分の1ほどに当たるので、当然ながら大きな影響があります。けれども成長するにつれてこの幅が人生の長さに占める割合は減っていくので、これまでは大学生や社会人ともなれば、早生まれによる不利益はなくなるはずだと考えられていました。

ところが、最近では様々な調査から大人になっても早生まれの子とそうでない子の差がなくなっていないことがわかってきました。

最初に注目されたのはスポーツ選手です。スポーツ選手は選手名鑑に生年月日が掲載されているので、比較しやすいのです。野球などのプロスポーツ選手を月別に比べたところ、日本では4、5、6月生まれが多く、秋に新学年が始まるアメリカなら9、10、11月生まれが多いというように、生まれ月によって明らかに偏りがありました。

この原因は運動能力の差によるものではなく、体格が小さい早生まれの子が幼いときに「運動は苦手」と劣等感を持つことで、運動する機会が少なくなることなどが考えられます。

学力面でも差が残ることがわかってきました。こちらは、授業の進め方が影響している可能性があります。

学校の授業は通常、理解度や成績が真ん中くらいの子に合わせて進みます。早生まれの子が小学校に入った最初の段階でつまずいてしまうと、とくに算数のような積み上げ式の教科では授業についていけなくなり、長く不利が続くことになります。

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