早生まれに負けない子育て

早生まれ「気にしないというスタンスが大事」 佐藤ママに聞く育て方

2021.01.14

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斉藤 純江
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気持ちよく小1のスタートを切らせる

次男も三男も、幼稚園は年少から通い始めました。ほかの子より体が小さかったので、意地悪をされることもあったようです。2人とも最初のころは「行きたくない」と言う日もありました。「行きたくない」と泣く子どもを見ながら、「それはそうだよね。つい最近生まれたばかりみたいな感じだもんね。まだ、母親のそばが一番安心できるのは当然だよね」と思い、無理強いはせず、「行きたい」と言ったときだけ登園させるようにしました。3、4歳児にとって1年の違いは大きいですから、無理に周りの子と足並みをそろえようとしないのが、早生まれの子を育てるコツですね。次男も三男も、年中からは毎日、楽しそうに幼稚園に行くようになりました。

小学校入学前に、ひらがな、カタカナ、数字が書けること、ひと桁の足し算ができること、かけ算の九九を覚えることの五つができていれば、早生まれでもそうでなくても、小学校でいいスタートが切れます。気持ちよく小1のスタートを切らせるのは、その後に続く12年間の学校生活にとって非常に大切なことで、それは親が責任を持ってしなければならないことです。

私は早生まれの息子たちについて、何でも早めに始めるということは気をつけましたが、それ以外はほとんど早生まれを意識しないで育てました。小学校に上がる時期は最初からわかっているのですから、その時期を見据えて子育ての計画を立てるといいと思います。

中学受験に早生まれは関係ない

早生まれは中学受験でも損をすると言われることがあります。しかし、私はそんな心配はいらないと思います。次男が灘中学に通っていた時、2人の同級生のお母さんと立ち話をしている時に、我が家が3月30日生まれ、もう1人のお子さんが3月31日、さらにもう1人のお子さんが4月1日生まれということが判明して、3人の母親で「やっぱり早生まれは関係ないよね」と話したのを覚えています。

とはいえ、難関と言われる私立中の入試問題は、ものごとを深く考える力が必要で、いわば精神年齢が高くないと国語などは解けないことが多いのです。精神年齢は生まれが4月や5月なら高いというものではなく、家で親がどのような話をするかなどが影響します。生まれ月を気にするより、親の働きかけが大切でしょう。新聞や本を読んで、その内容を子どもに聞かせ、世の中のできごとを大人の言葉でわかりやすく伝える。そして、親が「私はこう考える」ということを話しかける、というようなことを日常にすることです。私は毎日、新聞を読んで、地球環境のことや平和のことなどを、日頃から子どもたちと話していました。

ひと昔前と違い、いまは幼児教室も盛んです。早生まれであることが心配なら、こうした習い事も活用しましょう。早生まれを心配するときに、「うちの子は早生まれで同じ学年の4月2日生まれの子より一年近くも違うのよ」と言う人が多いですが、落ち着いて考えてみると、同じ学年で4月2日生まれの子がいったい何人いるでしょう。そう多くはいませんよね。学年にはいろいろな生まれ月の子がいるのに、4月生まれとだけ比べても意味はありません。4月2日生まれと比べて、「早生まれ」を悲観的に考えるのはナンセンスです。不思議なことに、12月31日生まれの親は嘆きませんが、1月1日生まれの親は「早生まれ」を嘆きます。たった1日の違いで、「早生まれ」を悲劇のように考えるのも、やはり意味がないように思います。だから、何かができなかった時に「この子は早生まれだから」という言葉は、親は子どもに絶対に言ってはいけません。私は子どもの前で「あなたは早生まれだから」と言ったことはありません。周りから言われても子どもはあまり気にしませんが、親に言われるのは別です。そんなことを子どもに言ってもどうしようもありませんし、子どもが「早生まれ」を言い訳にするようになりかねません。周りから「早生まれ」のことを言われたときは、「関係ないでしょ」と気楽にスルーしましょう。

「早生まれは不利」という研究結果を不安に思う必要はありません。それはほんの一面的なものです。育児についての研究結果は時代とともに変遷しますから、まったく気にしないというスタンスが大切です。自分の子だけを見て、早生まれということを利用するくらいの気持ちで、そして少し気をつけながら、それぞれの子に合わせて育てればいいという覚悟をもつことが大切です。

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