わが子が伸びる習い事

数学研究者×ピアニスト・中島さち子さん 「やりたい」を仲間とできる習い事は楽しい

2021.01.22

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斉藤 純江
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ジャズピアニストで数学研究者でもある中島さち子さん(41)は、「答えのない、自由に創造できるものがおもしろい」と言います。子どもの可能性を広げてくれるのは、どんな習い事なのでしょうか。科学・技術・工学・芸術・数学を融合した「STEAM教育」にも取り組み、1女の母でもある中島さんに聞きました。(写真は、インタビューに答える中島さち子さん=東京理科大数学体験館で、岸本絢撮影)

中島さ子

話を聞いた人

中島さち子さん

ジャズピアニスト、数学研究者、STEAM教育家

(なかじま・さちこ)steAm, Inc.代表取締役社長、STEAM Sports Laboratory取締役。東大数学科卒。高校2年で国際数学オリンピック金メダル。著書に「人生を変える『数学』そして『音楽』」(講談社)など、中島さち子TRIOとしての音楽アルバムに「REJOICE」など。大阪・関西万博テーマ事業プロデューサーも務める。

譜面通りより作曲や即興が好きだった

4歳から音楽教室に通っていました。譜面通りにしっかり練習して楽器を演奏するより、作曲や即興演奏を自由に楽しむことが好きでした。作曲や即興には答えがなくて、「台風」や「秋」など、自分のイメージを感じるままに表現できるところがおもしろいのです。子どものころに味わったこの自由に「つくる楽しさ」は、いまのジャズにも生きています。

私はゆっくりと自分のペースでやりたいタイプで、親はそんな私に対して、せかしたり、押しつけたりはしませんでした。作曲も自分のペースとタイミングでできたから、楽しかったのだと思います。大事なのは、自由があることです。自分がやりたいものがあったとき、それを遊べるゆとりがないと、本当におもしろいことはできません。

中学2年生でピアノをやめたとき、時間ができたことで今度は数学にはまりました。数学も、ゆっくり時間をかけないとおもしろいものを生み出せないのは、音楽と同じです。数学のおもしろさって、答えが一つじゃないところにあると思っています。定理も公式も、そこにたどり着くにはいろいろな考え方があって、天才といわれる数学者だって、時間をかけ、失敗を重ねて、ようやくたどり着いたのです。数学には、テストで測れるような○×がある部分だけでなく、自分で何かを発見したり、予想したり、つくり出したりできる自由な部分があります。ある意味、自分なりの表現ができるアート作品にも似ていて、私は数学のそんなところが好きです。

中学時代は、「大学への数学」という雑誌で、ピーター・フランクルさんが1カ月に1問、問題を出す連載があって、その1問を1カ月間、考え続けるのが好きでした。そのご縁で、フランクルさんの事務所に遊びに行くようになり、そこで同年代の数学好きの仲間に出会いました。私が数学にはまったのは、時間があったことに加え、出会いの場があり、仲間ができたことも大きかったと思います。

中島さち子TRIOとして音楽活動も行っており、アルバムに「REJOICE」など=本人提供
中島さち子TRIOとして音楽活動も行っている=本人提供

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