海外の教育事情

フィンランドの体育授業、順位をつけない理由 日本とは違った課題も

2021.01.22

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小林 香織
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なぜ、フィンランドの教育が注目されるのか

フィンランド運動_3
公園のアスレチックで遊ぶ小学生の子どもたち(小菅さん提供)

なぜ、「体育の授業で順位を付けない」というフィンランドの教育方針がTwitter上で注目を集めたのでしょうか。保護者の3名に聞いてみました。

「一部分の考え方を切り取って、問題提起しているからだと思います。実際は、順位のない方針ゆえに教育機会が不平等になっている実情があります。こちらでは高学年から急に走行距離から体力の目安を評価するクーパーテストが始まりますが、保護者の所得の格差でトレーニングしてきた子とそうでない子の成績差が生じています」(マロさん)

「日本では“がんばる”ことに偏重していて、“楽しむ”ことの優先順位が低いからではないでしょうか。順位付けをすることで運動が得意な子は自尊心を養えても、苦手な子は劣等感を持ってしまいがち。がんばることによって自信を付けることも大切ですが、がんばれない子の自信を奪わないことは、もっと重要だと思います」(小菅さん)

「競争疲れというか、多くの人が競争から解放されたくて、フィンランドをユートピア的なポジションに置いているのかもしれません。実際こちらの学校はのんびりしているし、子どもも保護者もプレッシャーを抱えにくいのは良いですよ。ただ、その後にやってくる過酷な競争社会に耐えられるかどうかは、個々で勝負するしかない。学校に任せておけば安心というワケにはいかないんですよね」(靴家さん)

意見に差異が出るのは当然ですが、フィンランドの小学校では、競争は後回しにして、まずは楽しみながら自己肯定感を育むことを優先しているようです。

対して日本では、一定の「身体能力」「態度」「知識,思考・判断」などを身に付けさせることを重視しているのでしょう。

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