コロナでどうなる大学入試

駿台教育研究所・石原賢一さん「難関大は無理してでも個別試験を行う」

2021.01.21

author
中村 正史
Main Image

新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、大学入学共通テストが実施されましたが、最大のポイントは2月から本格的に始まる私立大の個別試験や国公立大の2次試験が予定通りにできるかどうかです。年明け以降、試験時間を短縮したり、個別試験の中止を決定したりする動きも出ています。駿台教育研究所の石原賢一・進学情報事業部長に聞きました。(写真は、共通テスト前に参考書などに目を通す受験生=1月16日、大阪大)

石原賢一

話を聞いた人

石原賢一さん

駿台教育研究所進学情報事業部長

(いしはら・けんいち)駿台予備学校に入職し、学生指導、高校営業、カリキュラム編成を担当後、神戸校校舎長を経て2017年から現職。

個別試験中止なら共通テストの合格ラインが上昇

――入試直前になってコロナの感染が広がってきた現状をどう見ていますか。

首都圏に緊急事態宣言が出された翌日の1月8日、公立の山口東京理科大が個別試験を中止して共通テストで選抜することを発表し、電気通信大は個別試験が実施できないと判断した場合は、共通テストの成績と調査書で合否決定する可能性があるという予告をホームページに出しました。共通テスト前はこの2大学だけでしたが、終わってから個別試験の中止や変更を発表する大学が出てくる可能性はあります。

受験生からすれば、個別試験がいきなりなくなると、共通テストの合格ラインが上がって、その大学に出願しづらくなる恐れがあります。例えば山口東京理科大は共通テストのみで選抜するうえに、前期日程のほかに公立大学中期日程があり、中期日程は国立大などと日程が重ならずに出願しやすいため、共通テストの合格ラインが上がると見ています。

――個別試験を中止する動きが雪崩を打って広がることはありますか。

国公立大の前期日程については時期的に難しいでしょう。昨年も北海道でコロナの感染が広がって北海道大などが個別試験をやめて共通テストの成績で合否判定しましたが、これは3月の後期日程でした。ただ、地方の大学や単科大学は変更しやすいかもしれません。電気通信大も1学部だから動きやすい面があります。地方の国立大でも医学部医学科があるところは、共通テストだけで判定するのは避けるでしょう。そこは難しい判断になると思います。

緊急事態宣言の対象地域が地方に広がっていけば、他県から志願者を集めている大学は警戒すると思います。地方試験会場を都市圏に設けている大学も同様です。

しかし、東大や京大をはじめとする旧帝大や、難関の医学部医学科がある大学は、無理してでも2次の個別試験を行うと思います。

――私立大はどうでしょうか。

経営上の判断もあり、個別試験をやめることはしないと思います。地方の小さな大学で合格ラインが高くないところは可能ですが、MARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)や関関同立(関西、関西学院、同志社、立命館)、日東駒専(日本、東洋、駒沢、専修)といった大規模大学は、個別試験を行わなければ選抜ができません。慶應義塾大や国際基督教大(ICU)は共通テストを使わないので、個別試験をするほかありません。

ただ、早稲田大は共通テストを使わない理工系の学部や教育学部でも、個別試験ができない場合は共通テストで合否判定をすると、昨年から公表しています。MARCHなども同様です。

また、地方試験の会場を減らす大学は出てくるかもしれません。地方は共通テストの受験率が高いので、特例措置として共通テストで合否判定することはあり得ます。

新着記事