大学入学共通テスト 傾向と対策

進学校の先生の見方①本郷「狙いはわかるが、マークシート方式には限界も」

2021.01.26

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柿崎明子
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大都市圏などに緊急事態宣言が出るなか、1月16、17日、初めての大学入学共通テスト(第1日程)が実施されました。はたして文部科学省が意図する「思考力・判断力・表現力」を測れる出題だったのでしょうか。受験生の反応は? 進学校として知られる高校の先生たちに聞きました。第1回は、東京都豊島区の私立中高一貫男子校、本郷高校です。(写真は本郷中高の校舎=同校提供)

【話を聞いた人】本郷高校・金子孝太郎さん

話を聞いた人

金子孝太郎さん

本郷中学校・高等学校教務部長

(かねこ・こうたろう)数学科教諭。1998年早稲田大学大学院理工学研究科数理科学専攻修士課程修了。同年本郷中学校・高等学校に数学科教諭として勤務。2017年教務部長に就任。

数学はできるのに問題読解でつまずく恐れ

――共通テストの印象は?

やりたいことがいろいろあるという意気込みは感じたけれども、30年ほど続いた大学入試センター試験の枠から出るのは難しいと感じました。

――どういう点で、そのような感想を持ちましたか。

確かに工夫は見られました。センター試験は出題者の意図を踏まえて、誘導通りに進めば答えられる、いわゆる知識、技能が重視される設問の仕方でした。それに対し、共通テストは思考力、判断力、表現力も問いたいという作問の工夫を感じたのです。

ただ、当初予定されていた英語の民間試験や、国語と数学の記述問題も取りやめになり、マークシート方式で問える内容には限界があると思います。たとえば記述だと自分の間違いに気づきにくいが、マークシート方式だと答えが用意されているため、途中で軌道修正できてしまう。設問の仕方にも、思考力、判断力を問おうとして、いろいろなことを盛りだくさんに詰め込んだ印象があります。特に数学Ⅰ・Aがそう。あれだけの問題文を読み込んで、70分で答案を作るのは難しい。上位の生徒ならうまく情報処理をして対応できたかもしれませんが、なかには数学的な知識や技能を持っているのに、その手前の読解でつまずき、本来の力量を発揮できなかった生徒もいたのではないでしょうか。ただ、数学的な内容は、共通テストもセンター試験と同じレベルと感じました。

――数学以外の教科に関してはどうですか。

他の教員に聞くと、やはり全教科にわたって、問題文を読みこなす情報処理が加わったぶん、難易度が上がったという見解でした。特に英語は、ほとんどが読解になり手ごわかったようです。

――本番の前に、プレテストが2回行われました。

数学に関しては、プレテストの方が数学的な内容を削減して、そのぶん読解、情報処理、グラフや表の読み取りの比重が大きかった。本番の方が、大学センター試験に近かったように感じます。

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