大学入学共通テスト 傾向と対策

進学校の先生の見方③大妻中野「問題文を読み解き、数学的に落とし込む訓練が必要」

2021.01.29

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柿崎明子
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大都市圏などに緊急事態宣言が出るなか、1月16、17日、初めての大学入学共通テスト(第1日程)が実施されました。はたして文部科学省が意図する「思考力・判断力・表現力」を測れる出題だったのでしょうか。受験生の反応は? 進学校として知られる高校の先生たちに聞きました。第3回は、東京都の私立中高一貫女子校、大妻中野です。(写真は、大妻中野中高の校舎=同校提供)

話を聞いた人

野村賢司さん

大妻中野中学・高等学校進路部主幹

(のむら・けんじ)数学教諭。筑波大学卒業後、岐阜県の県立高等学校に勤務。2001年大妻中野中高に着任。16年から現職。

「私も時間いっぱい使って解いた」

――初めての共通テストはいかがでしたか。

私は数学科の教員ですが、とにかく問題の分量が多かった。特に数学1・Aです。問題文を読み込んで理解するのに時間がかかりました。試験時間が10分延びて70分になりましたが、私も時間いっぱい使いました。時間が足りなかった生徒も多かったのでは? 数学全体にいえることですが、計算問題が減り、思考力を問う問題に変わりました。

――思考力を問うという狙いは、どういうところに反映されていると感じましたか。

問題文の内容を、数学的な思考に落とし込む作業が大変だったと思います。たとえばⅠ・Aのデータ、確率の問題は、問題文をしっかりと読み込まなければ解けません。

また、全体的に難易度が上がったと感じました。特に整数問題や図形問題が、例年より難しかった。Ⅰ・Aの第2問の100メートル走に関する問題は、物理の選択者だったら解けたかもしれませんが、物理をやっていない生徒は手こずったのでは。

――文部科学省が意図する「思考力・判断力・表現力」を問う設問だったと思いますか。

マークシート方式とはいえ、定量的な計算がなくなり、練られた問題が増えた点に関しては、その通りだと思います。今後の方針として読解力をつけ、問題文をいかに数学的に落とし込むか、その訓練が必要だと感じました。

また選択問題ではありますが、今まで最後だった統計分野が3問目に登場していることに、「この分野にしっかりと取り組んでほしい」という文科省のメッセージを感じました。

――生徒の反応はいかがでしたか。

初めてのテストとしては、ボリュームの大きさに戸惑ったようです。ただ、試行調査(プレテスト)が2回公表されており、それをもとに各予備校も模試を作っており、対策はしっかりと講じることができたと思います。今は自己採点をして予備校に提出しており、その結果待ちです。

――共通テストの結果で、志望校の変化はありそうですか。

本校は都内の女子校で、ほとんどの生徒が都内の私立大学を志望しています。志望校が変わることは考えられません。ただ、早く進学を決めたいという生徒もおり、推薦が若干増えました。ただ、昨年度は、入試制度が変わるということで浪人が減っています。本校は例年20~30人が浪人するのですが、10人もいませんでした。全国的にも浪人が減り、いまの高3には逆にチャンスだと励ましています。

東京都の新型コロナウイルス感染者増加にともない、1月18日からオンラインの自宅学習に切り替えましたが、高3生に関しては、希望者は登校を認めて対面で指導を行っています。今年の高3生は入試制度の変更、コロナ禍と本当に大変でした。入試が終わるまで、全教員が全力で支えていきたいと思います。

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