大学入学共通テスト 傾向と対策

進学校の先生の見方④京都府立洛北「突き詰めると、公立一貫校の適性検査と同じ力を要求」

2021.02.01

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柿崎明子
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大都市圏などに緊急事態宣言が出るなか、1月16、17日、初めての大学入学共通テスト(第1日程)が実施されました。はたして文部科学省が意図する「思考力・判断力・表現力」を測れる出題だったのでしょうか。受験生の反応は? 進学校として知られる高校の先生たちに聞きました。第4回は、京都府立の中高一貫校、洛北高校です。(写真は、洛北高・付属中の校舎=同校提供)

【話を聞いた人】洛北・山先生

話を聞いた人

山 了悟さん

京都府立洛北高等学校進路指導部長

(やま・りょうご)数学教諭。京都大学工学部卒業。2013年同校に着任。19年から現職。

地頭のいい生徒が得点できるテスト

――共通テストをどう見ましたか。

毎年東京大学と京都大学の入試を解いていますが、共通テストが東大的な問題に近づいていると感じました。東大は大量の問題を出して情報処理の能力を測り、京大は問題数が少ないですがじっくり考えさせ思考の道筋を問うようなイメージです。私は数学科ですが、共通テストは数学の知識だけでなく、問題文から答えにつながる要素を読み取るという作業が加わりました。他の科目も目を通しましたが、各教科とも同じような傾向でした。

――大学入試センター試験より手ごわくなったということでしょうか。

確かに、地頭の良い生徒が点数を取れるテストだと感じました。テレビのニュースを見ていたら、受験生が「ずっと頭をフル回転させました」と感想を述べていましたが、対応できる生徒は頭をフル回転させ、そうでない生徒はお手上げ状態で、あてずっぽうに答えるしかなかったのではないでしょうか。

今回の共通テストの結果分布は、上位校とそれ以外の学校に二極化すると予想されていますが、それほど単純ではないと思います。学業成績が優秀な生徒の中にも今回のような出題を苦手とする生徒はいるし、逆に成績が振るわなくても対応できる生徒がいるように感じました。

――勉強量が、試験の内容に反映されないということでしょうか。

いえ、やはり学習は必要です。ただ従来と違うのは、深い学びだけでなく他の要素が要求されたように思います。つまり学問体系に閉じられた問題ではなく、実社会に開かれた問題が出題されたという印象です。今までの学習パターンでは対応していくのが難しいでしょう。

――どのような勉強が必要になっていくと考えますか。

今回のテストを見て、今の子どもたちは大変だなあと感じました。従来の学問体系プラス、そこにいろいろなものが上乗せされていく。数学には統計が加わり、さらに情報の授業も入ってきます。英語にしても、私たちの時代にはリスニングはなかった。共通テストは詰め込んでいるという印象を受けました。実社会での実践的な学びといわれても、高校生にはピンとこないのではないでしょうか。

考える力を養いたいのなら詰め込み式ではなく、もっといろいろな体験をさせた方がいいと思います。数学で伸びる生徒は別解の説明をしたときに「そういう考え方もあるんだ」と興味を示します。ある意味、無駄を許容するような学び方が必要な気がします。

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