企業入社難易度ランキング
「企業入社難易度ランキング2020」石油・窯業・繊維・紙 JXTGエネルギー、国際石油開発帝石が首位競う
2021.02.09

大学入学時の難易度が高い、つまり地頭がよい学生は、就活でどのような企業を志望し、また企業は実際にどのような大学の学生を採用しているのか。大学通信は大学へのアンケート調査で収集している企業別就職者数と、大学入学時の偏差値を組み合わせて、「企業入社難易度」を算出した。業種別の今回は石油・窯業・繊維・紙。大学通信の井沢秀・情報調査・編集部部長が解説する。
世界トップシェアの製品多いAGCが3位に
石油・窯業・繊維・紙は、メーカーの中では、化学・医薬品、電機・電子に次いで入社難易度が高く、掲載した上位24社のうち7社が全企業を対象とした総合順位で100位以内に入っている。
ランキングの上位2社は、JXTGエネルギーと国際石油開発帝石。ともに入社難易度は62.5だが、小数点第2位以下の差でJXTGエネルギーがトップになった。同社は今回の調査対象である2020年3月卒の就職状況の集計後、同年6月にENEOSに社名変更をしている。
同社は国内燃料油の販売シェアが約50%を占める石油元売り最大手で、系列給油所は約1万3000カ所、グループの売上高は10兆円規模にのぼる。CO2削減に向けて再生可能エネルギー事業も推進しており、2013年2月の仙台メガソーラー発電所を皮切りに全国で展開するメガソーラーやバイオマス、水力、風力発電のほか、次世代エネルギー事業として水素事業、天然ガス事業にも力を入れている。
採用大学は早稲田大(23人)が最多で、東京大、慶應義塾大(各15人)、大阪大(9人)、東北大、東京工業大、東京理科大(各7人)などが続く。採用大学36校のうち、入試難易度が55以下は5大学(5人)にとどまる。
2位の国際石油開発帝石は、石油・天然ガスの開発、生産、供給を主業務とする。1月27日、2050年にCO2排出ゼロを目指すことや水素事業を展開すること、今年4月に社名をINPEXに変更することを発表した。
採用大学は、早稲田大(7人)、京都大(4人)、東京外国語大、慶應義塾大(各3人)、東北大、一橋大、東京都立大(各2人)など。採用判明数は38人と少ないが、難関大から幅広く採用しており、大学数は22大学。そのうち入試難易度55以下は3大学(3人)のみだった。
石油元売りで売り上げ2位の出光昭和シェルは、入社難易度では6位。採用大学は、早稲田大(11人)、東北大(8人)、大阪大(7人)、北海道大(6人)、神戸大、慶應義塾大(各4人)などとなっている。
3位はAGC(旧旭硝子)。自動車用加工ガラスや建築用板ガラスなど、数多くの世界トップクラスのシェアを持つ。採用大学は、慶應義塾大(12人)、早稲田大(10人)、東京工業大(8人)、東京大、京都大(各7人)など。