コロナでどうなる大学入試

早稲田志願者10万人割れの「衝撃」 私大入試に激変、入試改革影響か

2021.02.05

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中村 正史
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私立大学の入試が本格的に始まったが、主要大学の志願者数に大きな変動が起きている。長年、10万人以上の志願者を集めてきた早稲田大は9万1000人台にとどまり、受験関係者の間で「まさかの10万人割れ」と驚きが広がっている。他にも選抜方法を大きく変えて入試改革に乗り出した青山学院大などで志願者が減っている。(写真は、入試改革が受験生にどう影響するかが注目される早稲田大学)

早稲田・政経の一般選抜で37%減

早稲田大は2月4日に志願者数を確定した。最終志願者は9万1659人で、昨年より約1万3000人(12%)減った。早稲田大は1989年に16万人を超える記録的な志願者を集め、その後、受験人口の減少とともに減ってはきたが、少なくとも1970年代半ば以降に10万人を割ったことはなく、この数年も10万人半ば~11万人半ばで推移してきた。

それだけに9万人ちょっとという数字は、衝撃的だ。大学通信の安田賢治・常務取締役は「驚くべき数字。10万人を切るとは夢にも思わなかった」と話す。

特に一般選抜(一般入試)を大きく変えた看板学部の政治経済学部は、学部全体で昨年より28%減った。共通テスト利用入試の志願者数は昨年のセンター試験利用入試とほぼ変わらないが、日英両言語の長文を読解して解答するなどの独自試験を導入した一般選抜は37%も減った。

また共通テストを必須にした国際教養学部も37%減った。一方で、入試方法を変えなかった法学部は昨年より6%増えている。

安田氏は「共通テスト元年になった今年は浪人生が減っていることが大きい。早稲田大は浪人生や学部併願が多い大学なので影響したのでしょう。入試を改革したことも志願者数にはマイナスに働いているようです」と言う。

早稲田大は国の入試改革に先駆けて今年から政治経済、国際教養、スポーツ科学部で共通テストを必須にするなどの入試改革を行った。政治経済学部で共通テストの数学Ⅰ・Aを必須にしたことは話題にもなった。志願者数が減ることは覚悟した上での改革だったと思われるが、ここまで減るとは想定していなかったかもしれない。

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