学習と健康・成長

「1人1台端末」は学校現場をどう変えた? 熊本市・渋谷区の場合

2021.02.08

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ゆきどっぐ
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2019年12月、文部科学省は「GIGAスクール構想」を発表。2020年4月の萩生田光一文部科学大臣による記者会見では、児童・生徒「1人1台端末」の早期実現に向けた支援を推進すると表明しました。子どもたちの学習環境が変わる時、保護者はどのように寄り添っていけばいいのでしょうか。コロナ禍前から1人1台のPC・タブレット端末の環境を目指した熊本市教育センター、渋谷区教育政策課にお話を聞きました。(写真は電子黒板を使って発表する児童=熊本市教育センター提供)

熊本地震で「つながる大切さ」に気が付いた 熊本市の取り組み

AIなど最先端テクノロジーの発達により、仮想空間と現実世界がさらに融合していくこれからの時代。文部科学省は全国一律のICT環境整備を急務とし、「GIGAスクール構想」を発表しました。

当構想では「1人1台端末及び高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備するとともに、並行してクラウド活用推進、ICT機器の整備調達体制の構築、利活用優良事例の普及、利活用のPDCAサイクル徹底等を進めることで、多様な子供たちを誰一人取り残すことのない、公正に個別最適化された学びを全国の学校現場で持続的に実現させる」としています。

現在も少しずつICT環境は整備されているものの、2019年3月時点での学校現場における教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数は5.4人/台。コロナ禍でオンライン授業などによる「学びを止めない」活動が注目を浴び、ICT機器の必要性が浮き彫りになりました。

国内ではコロナ禍前から学校現場のICT化に乗り出した自治体があります。熊本市もその一つ。熊本市教育センター副所長の本田裕紀さんは、熊本市でのタブレット端末の導入についてこう振り返ります。

「導入のきっかけは2016年に起こった熊本地震です。あの時、学校は避難所に変わり、子どもたちの学びは1カ月ほど止まりました。情報や人とのつながりが途絶えることの怖さ、そしていつでもどこでもつながれる大切さに気が付いたのです」(本田さん)

その後、大西一史熊本市長の旗振りにより21世紀にふさわしい『創造的復興』を目指そうという気運が高まっていきました。中でも、復興の担い手となる子どもたちに向けた『100年先を見据えた復元の礎づくり』に力をいれ、その一環としてICTに関わる環境作りに着手するようになりました。

2018年度には先行導入校として小学校16校、中学校8校でタブレット端末の運用を開始。2019年度から小学校76校で、2020年度から中学校34校でも運用を開始し、教職員には1人1台、児童生徒には3人に1台のタブレット端末が行きわたりました。現在は全小中学校で1人1台の整備を終え、1人1台を実現しています。

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