文系、理系の壁

河合塾の富沢弘和・教育情報部長「最近十数年、理系人気が続いた理由」

2021.02.12

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中村 正史
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大学受験で理系の志望者が増える傾向が続いています。日本では、受験のため文理に分かれると、その後は交わることがあまりありません。一方、現代的課題は文系、理系が融合した知識でなければ解けず、また文系社員にもデータサイエンスやAI(人工知能)の知識が求められるようになってきました。こうした現状を見据えて、教育界でも「文理融合」の動きが出始めています。

富沢弘和

話を聞いた人

富沢弘和さん

河合塾教育情報部長

(とみざわ・ひろかず)校舎スタッフ、模試作成部門を経て、教育情報部門に携わる。全統模試のデータを基にした大学入試動向分析、進学情報誌「ガイドライン」「栄冠めざして」などの編集を担当。2016年から現職。

かつては人手不足の建築、いまは情報系

河合塾では毎年、全国の大学の学部・学科の志願状況を調べています。国公立大学の前期日程の志願者を学部系統別に分けて、各系統の志願者数がどれくらいのシェアを占めるのか、その推移を2000年から見てみました。

工学系が07年ごろから右肩上がりに増えています。医・歯・薬・保健は12年がピークで少しずつ下がっていますが、理はあまり変動がなく、この15年くらいは全体に理系人気といえます。経済・経営・商は08年のリーマン・ショック以後、志願者が減りましたが、景気がよかったこの数年は増えて、最近はまた減少傾向です。

文系、理系の志望は、好不況や就職状況、社会の動きやニーズに左右され、理系の人材を必要とする機運が高まった時に、理系人気になります。例えば建築業界が人手不足になった時に建築が人気になるなど、今なら情報系です。

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