コロナでどうなる大学入試

横浜国大と東京外大が大幅減、東大理Ⅲが減った理由 国公立大の最新出願状況を分析

2021.02.11

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中村 正史
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国公立大の一般選抜2次試験の出願が2月5日に締め切られ、前期日程試験が25日から始まります。大学入学共通テストの直前に緊急事態宣言が出された今年の大学入試は、例年とは様相が異なり、国公立大の出願状況にも変化が現れています。駿台教育研究所の石原賢一・進学情報調査部長に聞きました。(写真は初めての共通テストを受ける受験生=1月16日、九州大)

石原賢一

話を聞いた人

石原賢一さん

駿台教育研究所進学情報事業部長

(いしはら・けんいち)駿台予備学校に入職し、学生指導、高校営業、カリキュラム編成を担当後、神戸校校舎長を経て2017年から現職。

不確定要素が多く、出願の出足鈍る

――文部科学省が発表した国公立大の出願状況(締め切りの2月5日15時時点)を見ると、前年度同期比で約1万6600人減っており、出足が鈍いようです。

最終的にはもう少し増えますが、出足は悪いです。共通テストの公民と理科②で得点調整が行われたことや、新型コロナウイルスの感染拡大で2次試験を中止して共通テストだけで判定する大学が出てきたことで、ぎりぎりまで待って出願しているようです。今年は不確定要素が多いためです。浪人生が昨年より約2万人減り、共通テストの出願者が減ったこともあります。

――共通テストだけで判定することを早い時期に公表した横浜国立大や、共通テスト後に2次試験を行わないことを決めた宇都宮大と信州大の一部の学部の出願者が大きく減っています。

文科省の発表後も各大学の出願状況を追っていますが、10日時点で横浜国立大は昨年の最終出願者数に比べて前期で34%減、後期で51%減です。横浜国立大は後期の定員も多く、旧2期校型の負担感のある試験を行っていました。共通テストだけで判定するとなると、2次試験で逆転することができず、合格ラインが読めないので、受験生は怖くて出願しづらいでしょう。得点調整で理系は10点近く上がったので、より読めなくなりました。

宇都宮大は5日時点の昨年比の指数で前期88にとどまっています。信州大は大学全体では前期99と昨年並みですが、2次試験をやめた人文学部は67、経法学部は82と減り方が大きいです。ただ、この2大学はもともと、共通テストの比重が大きく地元比率が高いので、横浜国立大ほどの打撃は少ないです。首都圏には私立大を含めて大学の選択肢がたくさんあるので、横浜国立大を避けたのだと思います。

――特徴的なことは他にありますか。

東京外国語大が10日時点で昨年の最終出願者数に比べて前期で22%減っています。コロナで国際系、語学系が不人気の影響です。

――国公立大の全体の傾向はどうですか。

全体に堅調です。国立大志向、地元志向が現れています。遠く離れた私立大に行くのを避けているようです。

共通テストで点が取れたこともあると思います。

旧帝大などの難関大では前期で昨年比99ですが、そのなかで出願者が減っているのが北海道大です。公立の札幌医科大も減っています。これは本州からの受験者が減っているためです。北海道大は地元の進学校からの合格者が増えると思います。

筑波大やお茶の水女子大、岡山大などの準難関大は前期で昨年比102ですが、飛び抜けて減っているのが先に触れた横浜国立大と東京外国語大です。

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