『ドラゴン桜2』桜木建二が教える 2020教育改革
国際色豊かなISAKジャパン、小林りん代表理事が語る 人生を変える学びの「マインドセット」とは
2021.03.01

学校に通うことすら、ままならない……。
コロナ禍でかつてない事態に直面した生徒、そして学校側はまだまだ対応に追われる日々だな。世界中から生徒・先生が集うユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン(以下、UWC ISAK)は、どんな影響を受け、また現状をどう乗り越えようとしているのか。代表の小林りんさんに話を聞くことができたぞ。
UWC ISAKの授業は昨年4月からすべてオンラインで実施
「軽井沢に拠点を置く私たちの学校では、83か国から集まった約200人の高校生が学んでいて、7割以上が各地からの留学生。先生は9割が外国人です。
今は物理的に国境をまたいで留学することが難しい状況になってしまい、『従来通り』の活動が継続できない状態。
そこで、昨年は3月末から生徒たちを帰国させ、4月から6月まですべての授業をオンラインで進めることとしました。今は私たち教育に携わる者と学ぶ側全員の、進化や適応能力が問われているのだと思っています」
オンラインとオフライン、双方の活用が今後の主流に
学びと学校生活を、オンラインでどこまで代替できるのか。
「試行錯誤してきましたが、オンライン化を進めれば進めるほど、オフラインでの活動の価値を再確認する思いです。
たしかにオンラインで授業はできます。トピックを決めて意見を自由に交わすこともできます。でも、やはりどうしても足りない面は出てきます。
たとえば、生徒たち同士が寮で夜な夜な語り合うことだったり、顔を寄せ合ってともに作業しながら学業や部活のプロジェクトを進めることだったり、それこそ文字通り同じ釜の飯を食うようなことは、オフラインでなければできません。
そうしたリアルの場での活動が、価値観のぶつかり合いや、計画されていなかった学びを生んで、人の成長を促していたのだと実感します。
現在の状況は、人が集まることで起こる『化学反応』のようなことや『余白』『遊び』の大切さを、改めて見直すきっかけになっています。
生徒からもやはり、『早く学校に戻りたい』という声は多く寄せられていました ね」

オンラインとオフライン、双方のよさを活用していくのが、これからの学びのかたちの主流になるだろうと、小林さんは見ている。
「とはいえ、オンラインの可能性もひしひしと感じていて、もっと開発し活用していかなければと思っています。
私たちも昨年7月に『ISAKx』をローンチしました。私たちの提供する学びを、昨年9月から今年5月までの週末に、オンラインで受講できるプログラムです。
受講者のみなさんは、世界中どこにいても、普段どおりご自身の学校に通いながら参加することができます。このプログラムを通して、私たちが 提供している学びをもっと多くの方へ広げていきたい」