『ドラゴン桜2』桜木建二が教える 2020教育改革

国際色豊かなISAKジャパン、小林りん代表理事が語る 人生を変える学びの「マインドセット」とは

2021.03.01

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桜木 建二
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学校に通うことすら、ままならない……。
コロナ禍でかつてない事態に直面した生徒、そして学校側はまだまだ対応に追われる日々だな。世界中から生徒・先生が集うユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン(以下、UWC ISAK)は、どんな影響を受け、また現状をどう乗り越えようとしているのか。代表の小林りんさんに話を聞くことができたぞ。

withコロナの学びは、オンライン活用で加速できる

ここ数年来、ずっと唱えられてきた「教育改革」の動きも、昨今の事態を受けていったん歩みがストップしているように見える。「withコロナ」の状況がまだ続きそうな情勢の中、教育の変化はどう生じてくると、小林さんは見ているだろうか?

「数年前からアクティブラーニングや探究型学習がキーワードとして語られるようになりましたね。その方向性は間違っていないと思いますし、私たちの学校でも開校当初からそれらを全面的に取り入れてきました。

ただ、実際にオンラインでアクティブラーニング、探究型学習をするのは、なかなか難易度が高いとも言えます。

ある調査では、日本の教師の中で、オンラインを使って双方向の授業ができる知識・能力を有している人は5%程度だと言われています。今はまだ、授業動画を一方的に流したり、ドリル的な問題をこなしていくようなスタイルが主流となっているようです。

オフラインでも一方向になりがちだった旧来の教育が、オンラインでよりその傾向を強めてしまっているのかもしれません」

習熟度に合わせた基礎固めをオンラインで

いったんオンラインの導入が始まったのだから、世情が今後どう変わっても、うまく活用していくことを心がけていくべきと、小林さんは言う。

「登校ができるようになったら、もうオンラインはやめた、となってはもったいないですね。

OECDの2018年の調査では、日本の教育現場におけるデジタルデバイスの普及率は、調査参加78か国中、68番。教員のデジタルリテラシーでは、78番でした。オンライン教育はうまく使えば、学びの個別最適化を実現できる大きな機会にもなり得ます。

教育現場はこの危機をチャンスと捉えて、学びを加速させるよう取り組みたいところです」

たとえば、基礎的な知識の習熟や反復練習はオンラインでこなし、習熟度の高い子はどんどん先の内容へ進めるよう設定する。

逆につまずいている子には、わからなくなったところまで戻って繰り返し学んで理解を深める。

そうした個別の基礎学力固めをオンラインでしたうえで、リアルの場ではグループディスカッションなどインタラクティブな活動をする。そんな組み合わせが考えられるというのだ。

「オンラインの環境が整わない家庭もあるでしょうし、問題は山積するでしょうけれど、それらを一つずつ乗り越えて、教育現場でのオンラインの活用を加速させていきたいところですね」

次回も、人生を変える「学び」との向き合い方について、小林さんに聞いていくぞ。

(山内宏泰)

小林りん

話を聞いた人

小林りんさん

学校法人ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン代表理事

1974年、東京都生まれ。学校法人ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン代表理事。カナダの全寮制高校、東京大学経済学部を卒業後、モルガン・スタンレーや国際協力銀行勤務を経て、スタンフォード大学教育学部修士課程修了。2006年から国連児童基金(UNICEF)のプログラムオフィサーとしてフィリピンに駐在した経験からリーダーシップ教育の重要性を痛感。14年に日本初の全寮制国際高校を軽井沢に開校、代表理事に就任。17年、同校は日本初のユナイテッド・ワールド・カレッジ(UWC)加盟校になる。17年、イエール大学の「グリーンバーグ・ワールド・フェロー」選出。19年、「EY アントレプレナー(起業家)・オブ・ザ・イヤー2019ジャパン」大賞など受賞歴多数。

『ドラゴン桜2』

作者は、漫画家・三田紀房さん。中堅校に成長したが、再び落ちぶれつつある龍山高校が舞台。弁護士・桜木建二が生徒たちを東大に合格させるべく、熱血指導するさまを描く。教育関係者らへの取材をもとに、実用的な受験テクニックや勉強法をふんだんに紹介している。雑誌「モーニング」(講談社)、「ドラゴン桜公式マガジン」(note)で連載中。

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