『ドラゴン桜2』桜木建二が教える 2020教育改革

「はじめの一歩を踏み出そう」が学びの合言葉になる! ISAKジャパンの小林りん代表理事

2021.03.15

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桜木 建二
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世界80カ国以上から多様なバックグラウンドを持った生徒が集まる長野県・軽井沢のインターナショナル高校「ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン」。前回、代表の小林りんさんに、withコロナの時代の新しい学びの姿についてうかがった。
オンラインとオフラインの組み合わせなど、教育現場の課題は数々あれど、学ぶ側に必要なマインドはさほど変わらない。小林さんは先ごろ『世界に通じる「実行力」の育て方 はじめの一歩を踏み出そう』を上梓。学び成長する気持ちを抱くすべての人に向けて、まずは一歩を踏み出すことの重要性を説いている。

小6で受験を決意、みずから探した塾へ通う

ときに、小林さん自身の子ども時代はどんなものだっただろうか? 何か特別な面はあった?

「いえ、東京・多摩地区のごくふつうの子どもでした。

ただし、自分の足で初めて一歩を踏み出した経験は覚えていて、それは中学受験をするぞとみずから決意したこと。小学4年生あたりから、生意気が高じて学校の先生と反りが合わなくなってきたんです。

宿題で漢字は15回ずつ書きましょうなどと言われると、『もう覚えた漢字をなんで繰り返し書かなくちゃいけないの?』と言い張るような面倒な子だったので(笑)。

このまま地元の中学校に進んだら、もっとこういう辛い思いをすることが増えるんだろうな……と考えて、中学受験を思い立ちました。

自分で駅前の塾を突然訪ねて、「中学受験をしたい」と言うと、「もう小6でしょう、間に合いませんよ。高校受験を目指しましょう」と。でも、そこにいた大学生のアルバイトの先生が、私の素質を見抜いて、夏休みも冬休みもつきっきりで指導してくれたんです。

なんとか合格したときに実感しました。自分が動けば苦境は切り開ける、支えてくれる人も現れる、人生は変えられるんだと。

それで中学時代は楽しく過ごし、高校へ進学。1年生の最初の定期試験で、数学で赤点をとってしまいました。先生からは『このままじゃ大学なんて行けない、もっと数学に注力しろ』と言われました。

そのときも違和感を覚えました。先生は私のよさをみようとしない、わかってくれない、と。文系科目はまずまずできたのに、それを褒めてもくれなかった。

そこで唐突に、留学を夢見はじめます。聞けば海外では、いいところを伸ばす教育をしているというのです。ならば留学しようと決意し、奨学金の試験をうけて、ラッキーなことにカナダの全寮制高校へ2年間、全額奨学金をいただいて留学しました。

一歩を踏み出し続け、34歳で見つけた天職

そんな調子で、小さいころからいろんなことを試してみる人生でした。遠回りもたくさんしたと思いますけど、今こうして教育にまつわる仕事を、天職のように感じながら続けていられるのは、私の歩んできた道のりすべてがあってこそだと強く思います。

これから自分の道を切り開こうとしている子どもたちには、何も恐れず伸び伸びと、いろんな世界をのぞいてみてほしいですね。親御さんも、子どもの自由闊達さを、ゆめ邪魔したりすることなく、いっしょに楽しんでいくくらいの気持ちでいられるといいですよね。

今の子どもたちが生きていく世の中は、私たち大人が見たこともない世界になるはずです。こうしたらいい、ああしちゃいけない、などと私たちが既成概念に捉われて制約すべきでは、もはやないのだと思うのです」

(山内宏泰)

「はじめの一歩を踏み出そう」が学びの合言葉になる! ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン代表理事の小林りんさん

小林りん

話を聞いた人

小林りんさん

学校法人ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン代表理事

1974年、東京都生まれ。学校法人ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン代表理事。カナダの全寮制高校、東京大学経済学部を卒業後、モルガン・スタンレーや国際協力銀行勤務を経て、スタンフォード大学教育学部修士課程修了。2006年から国連児童基金(UNICEF)のプログラムオフィサーとしてフィリピンに駐在した経験からリーダーシップ教育の重要性を痛感。14年に日本初の全寮制国際高校を軽井沢に開校、代表理事に就任。17年、同校は日本初のユナイテッド・ワールド・カレッジ(UWC)加盟校になる。17年、イエール大学の「グリーンバーグ・ワールド・フェロー」選出。19年、「EY アントレプレナー(起業家)・オブ・ザ・イヤー2019ジャパン」大賞など受賞歴多数。

『ドラゴン桜2』

作者は、漫画家・三田紀房さん。中堅校に成長したが、再び落ちぶれつつある龍山高校が舞台。弁護士・桜木建二が生徒たちを東大に合格させるべく、熱血指導するさまを描く。教育関係者らへの取材をもとに、実用的な受験テクニックや勉強法をふんだんに紹介している。雑誌「モーニング」(講談社)、「ドラゴン桜公式マガジン」(note)で連載中。

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