企業入社難易度ランキング
本邦初「就職偏差値が上がった大学2020」ランキング規模別上位100校 1位立教大、理工系大学が躍進
2021.03.09

大学に対する評価は時代とともに変わる。企業がどの大学をターゲットとして採用活動を行い、どんな学生を採用しているのかも、外部からの評価の一つと言える。企業からの評価がどう変わったかを見るために、大学通信が算出した「大学の就職偏差値」を用いて、2020年と2010年を比較することにより、この10年間で就職力が上がった大学を調べた。本邦初の試みである。大学通信の井沢秀・情報調査・編集部部長が解説する。
主要企業への就職力がどう変化したか
主要企業に対する大学の就職力を可視化する数値として、「大学の就職偏差値」を算出した。この数値を2010年と20年で比較し、10年間で就職偏差値が上がった大学を、つまり就職力が高まった大学を紹介する。
大学通信は毎年、大学へのアンケート調査により、企業別就職者数を収集している。調査対象企業は、日経平均株価指数の採用銘柄や企業の規模、知名度、大学生の人気企業ランキングなどを参考に選んでいる。今回、分析したのは、20年(調査対象419社)と10年(405社)のデータである。
両年で企業数が異なるのは、この10年間で企業の合併・統合が進んだことなどによる。合併・統合した企業については、合併・統合する前のそれぞれの企業の就職者数を合計し、合併・統合後の企業の就職者数と比較しているので、大きな乖離は生じない。
大学の就職偏差値の算出方法は次の通り。まず、各企業の採用者の出身大学と、各大学の平均難易度を組み合わせて、「企業の入社難易度」を算出した。この企業入社難易度と各大学からの就職者数を加重平均して、大学の就職偏差値とした。
例えば、ある大学が三菱商事(入社難易度64.8)に6人、トヨタ自動車(59.4)に5人、みずほFG(59.9)に3人就職したとすると、大学の就職偏差値は、(三菱商事64.8×6人+トヨタ自動車59.4×5人+みずほFG59.9×3人)÷合計就職者数14人=61.82になる。ランキング表では、小数点第2位を四捨五入している。
ただし、今回の就職偏差値は、主要企業就職者に限定して算出しているため、当該大学全体の就職者を対象にしたものではない。入社するのが難しい有名企業に、その大学からどれくらい就職しているか、10年前に比べて主要企業への就職力がどう変化したかを表す数値である。したがって主要企業への就職者数が10年前からどう変化したかも併せて見てほしい。
大学の就職偏差値は、主要企業の就職者数の規模などを勘案して、主要企業就職者が200人以上、100人以上200人未満、30人以上100人未満の三つのグループに分けてランキングした。