大学入学共通テスト 傾向と対策

相次ぐ「見直し」にコロナ禍も 共通テスト本番はどうだった?

2021.03.12

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上野 創
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英語の民間試験活用や、国語と数学の記述式問題が見送られたうえに、コロナ禍の混乱も加わって迎えた初めての大学入学共通テスト。試行調査(プレテスト)の正答率の低さや、大学入試センター試験との違いが注目されましたが、本番の平均点は全体として「昨年並み」でした。受験シーズンの最終盤に経緯と結果を振り返ります。(写真は、東京大で1月30日に実施された共通テスト第2日程)

民間試験、記述式、いずれも延期の末に

そもそも共通テストは、知識だけでなく「思考力、判断力、表現力」を問うことで、センター試験からの改善を目指すという方針のもと、準備が進められました。

大きな柱の一つが、英語で「読む・聞く・話す・書く」の4技能を評価しようという当初の方針でした。国際化が進むなか、「文法中心」の英語教育を改善するために大学入試を変え、リーディングとライティングに加えて「話す力」「書く力」についても問うというもので、入試センターが数十万人に一斉に試験をし、採点するのは難しいという理由から、英検などの「民間試験」を活用することになりました。

しかし、民間試験については、「異なる試験の結果を一つの物差しに統一して合否判定に使うのは無理がある」「都市部に居住または通学していない生徒は受けるのが大変」「受けるのに費用がかかる点を考えると裕福な家庭の子が有利」といった声が出ていました。こうした懸念に対し、19年11月、萩生田光一文部科学相が「自分の身の丈に合わせて頑張って」と発言し、「格差を容認した」といった批判が噴出、土壇場で見送られました。

英語民間試験の導入と並ぶもう一つの柱が、国語と数学での「記述式」問題の導入でした。マークシート方式に加えて、国語は受験生が自分の力で言葉や文をつづる問題を3問、数学は数式などを書く問題を3問、それぞれ出題するという当初の方針が公表されました。しかし、17年と翌年に実施された試行調査(プレテスト)で、特に国語の採点をめぐって、受験生の自己採点と入試センターの採点との不一致が多い点が問題視されました。また、入試センターが民間委託する採点の精度に対しても懸念が指摘され、結局、英語の民間試験と同様、記述式問題も見送りとなりました。

さらに、新型コロナウイルスの感染拡大による一斉休校で、高校の授業進度が遅れた影響に対応するため、第1日程の2週間後に第2日程が設けられ、特例追試験も設定されました。第2日程は、新型コロナの感染者や濃厚接触者ら第1日程を受けられなかった人たちも、追試験として受験しました。全日程期間中、大都市を抱える都府県などで緊急事態宣言が発令される厳しい状況でしたが、荒天で中止・再試験となったケースを除けば、中止や延期をすることなく、全日程を終えました。

相次ぐ「見直し」にコロナ禍も 本番はどうだった?

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