大学入学共通テスト 傾向と対策

相次ぐ「見直し」にコロナ禍も 共通テスト本番はどうだった?

2021.03.12

author
上野 創
Main Image

英語の民間試験活用や、国語と数学の記述式問題が見送られたうえに、コロナ禍の混乱も加わって迎えた初めての大学入学共通テスト。試行調査(プレテスト)の正答率の低さや、大学入試センター試験との違いが注目されましたが、本番の平均点は全体として「昨年並み」でした。受験シーズンの最終盤に経緯と結果を振り返ります。(写真は、東京大で1月30日に実施された共通テスト第2日程)

私立大でも活用進む

共通テストは、私立大も約9割が利用しています。共通1次試験の時代は基本的に国公立大のみでしたが、90年にセンター試験になる際、各大学が入試で使う科目を選べる「アラカルト方式」を導入したため、利用する私立大が増えました。

入試センターは昨年12月、前年の「センター試験利用」と同数の533の私立大が共通テストを利用すると公表しました。例えば上智大や学習院大などは、今回の共通テストで新規に利用することにしました。

具体的な利用方法はさまざまです。大学独自の試験を課さずに共通テストの結果のみで合否判定する学部・学科の増加や、共通テスト実施前の出願が多いなどの特徴がありますが、必要な科目や配点などは大学・学部によって異なりますので、志望する大学の公式ホームページなどできちんと確認しておくことが重要です。

受験生にとっては、共通テストを受ければ、複数の私立大に合否判定をしてもらえる利点があります。国公立大を第1志望とする受験生が独自試験のない私立大を併願する場合、国公立大の2次試験の準備に専念しつつ、私立大から合格通知をもらえる可能性があるわけです。また、私立大が第1志望の受験生も、共通テストを受けておけば、遠くの試験会場へ出向いて受験しなくても、複数の大学に合格の可能性が出てきます。

新型コロナウイルスの感染リスクがある中では、受験のための外出や移動を避けられる点はメリットといえます。

ただ、大学独自の試験がない方式は募集人員が少ない上に、必要科目数が少ないほど出願者が多くなって倍率が上がります。当然ですが、共通テストでそれなりに得点できなければ、複数校に出願しても不合格ばかりになってしまいます。また、共通テストのためだけに勉強しなくてはならない科目が増えたり、受験料の負担が増したりする点も考えておく必要があります。

4年後に向けて検討会議、まとめは夏までに?

文部科学省は4年後の大学入試でさらなる改革を進める方針です。

英語民間試験と記述式の導入が見送られたあと、「大学入試のあり方に関する検討会議」を設置し、有識者や教育関連団体の代表らが議論を続けています。当初は昨年末に提言を出す予定でしたが、共通テストやほかの入試への新型コロナの影響を踏まえるべきだという理由から、延期されました。

今年夏までには、なんらかのまとめが公表されるとみられます。

英語民間試験の活用はどうなるのか、記述式問題の導入は再び盛り込まれるのか――。

これまでの議論では、「見送り」の際に指摘された課題を解決できるような手立ては明確に示されていません。いずれにしても打ち出される方向性は、大学入試改革の今後を左右する道しるべとなりそうです。

新着記事