部活と勉強 両立するのか

教育社会学者・内田良さん「中学の部活動の活動時間は減少傾向」

2021.03.12

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中村 正史
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『ブラック部活動』の著書がある名古屋大学大学院の内田良・准教授は、部活動での事故や、教員の長時間労働など、部活動がかかえる様々な問題を指摘してきました。部活動の現状や、部活動はどうあるべきかなどについて、内田准教授に聞きました。(写真は、サッカー部の練習に臨む中学生たち)

コロナで減った活動の反動を懸念

――部活動はどうするべきでしょうか。

活動規模を小さくすること、活動日数を減らして、教員も関わりたい人だけが関わる仕組みが必要です。週5日も活動する必要はなく、週3日くらいにして、コストも減らし、生徒も教員もやりたい人だけが活動するのがいいと思います。教員と話すと、半数くらいは部活動をしたがっているので、週3日くらいにすれば、部活動をやりたい半数の教員で回せる可能性が高まります。

――中学校では教員も顧問、副顧問のような形で部活動に全員参加になっているところが多いです。

部活動に熱心な教員と話をすると、「やりたいことはさせてくださいよ」と言われることがあります。それは私もかまわないと思います。ただ、「部活動をしたい」「部活動で生徒を育てたい」という声に他の教員が引っ張られてしまう現状に手を打たねばなりません。

確かに部活動は授業では得られない喜びや感動を体験できることがあります。そういう体験をすると、本来は純粋な趣味だったはずなのに、大会が絡んだり、生徒の進路を左右したりして、趣味の域を超えてしまうのです。

部活動には教育的意義があると思っている教員も多いので、教員の半数は部活動をしたくないと思っていても、総意としては「部活動をやりましょう」ということになってしまいます。「生徒のため」と言われると、「NO」と言えないのです。

――スポーツ庁と文化庁のガイドラインにより、活動時間は減っていますが、気がかりなことは何ですか。

「闇部活」というのか、部活動だとガイドラインに抵触するので、活動実態はこれまでと変わらないのに、書類上は顧問の名前を消して保護者が運営する形にするとかいったことが、ごく一部ですが始まっています。部活動がますます見えないところで行われる懸念があります。

――新型コロナが収束したら、部活動は元に戻るのでしょうか。

この1年は部活動だけでなく、修学旅行や入学式、卒業式も簡素化されました。来年度はどうなるのか、大勢の教員に聞くと、ほとんどの教員は「元に戻る」と言っています。部活動はせっかく時間数が減って、総量規制が実現しました。この1年を過ごしたのに、元に戻ることを懸念しています。

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