大学入学共通テスト 傾向と対策

大きく変わった英語 リスニングは読み上げ1回も、リーディングは多種の情報源

2021.03.15

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上野 創
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大学入学共通テストで、大学入試センター試験から最も変化が大きかったとされるのが英語です。民間試験の活用は見送られたものの、リーディングでもリスニングでも、問題の傾向は変わりました。問題の特徴と、来年に向けての対策を予備校講師の先生に聞きました。(写真右は第2日程の英語・リスニングの問題冊子。表紙に「音声を2回流す問題と、1回流す問題があります」と書かれています)

難しかったが「配点マジック」で平均点下がらず

まず、配点が変わりました。リーディングはセンター試験時代の200点から100点に半減し、リスニングは50点から100点へと倍増しました。ただ、大学が共通テストの成績を合否判定に利用する際は配点比率を変更できるので、実際には1:1でない比率に換算する大学も多いのが実情です。

配点以上に大きな変化は、センター試験時代にすべての問題で2回流れていた音声が、共通テストでは大問6問のうち4問で1回のみになった点です。第1日程でいえば、前半の短い発話や対話は2回の読み上げでしたが、後半の「2人または4人の対話」「アンケート結果の説明」「四つのミュージカルの説明」「幸福観についての講義」など、長くて複雑な内容を、1回の読み上げで聞き取らなくてはなりませんでした。

読み上げられた語数はセンター試験に比べて約400語増加し、イラストやグラフ、表などと組み合わせた問題もあって、「受験生にとってはかなり難しかったのでないか」という予想もありました。

しかし、第1日程の平均点は56.16点と前年の57.56点(配点を100点で換算)とさほど変わりませんでした。その理由について、河合塾の英語科講師、小森清久さんは次のように語りました。

「配点マジックと私たちは呼ぶように、2回読みの第1、2問と、比較的易しい第3問だけで配点が59点もある。難しい第4問以降の配点を低くし、平均点が6割ぐらいになるように設定したのだろう」

第4問と第5問は、音声を聞いて、ワークシートの円グラフや表の空欄を埋める問題、ミュージカルに関する4人の評から条件に合うものを選ぶ問題、講義を聞いてワークシートを完成させたり内容と一致するものを選んだりする問題でした。第6問では4人の登場人物の主張を聞き分ける必要がありました。

いずれも、英文を正確に聞き取ったうえで、複数の情報からの判断が必要でした。

実際、生徒たちの自己採点などを見ると、問題の後半で点を取れていない人が多かったようです。

「特に、もともと英語が得意でない層は、第4問以降のほとんどの問題についていけず、聞こえてくる音を結びつけて選択肢から選んだのだろう」と小森さんは分析します。

日常的、実用的な内容や、高校生に身近な話題についての問題文が増えたのも特徴です。

例えば第1日程の第2問では、車いす利用者に駅員がエレベーターの場所を説明する場面、第6問ではレシートの電子化に関する話題が取り上げられました。

大学入試センターの担当者は、第1日程の試験後、「従来の英語の授業は実際の場面と切り離されていることがあったが、今回はどういう場面で使うかを意識した作りとなっている」と話しています。

音声を何度も聞く練習を、聞き取れない音を意識

来年に向けての対策として小森さんは「スクリプトを見ないで、同じ音声を何度も繰り返し聞くと良い。50~100語程度の対話文や、200~250語程度のモノローグを選ぶのがお勧め。聞き取れない音があったら特に意識して何度も聞く」という方法を挙げます。

さらに、「聞きながら頭の中で概要を整理する訓練もすると良い。慣れてきたら、聞いたことを書き取るディクテーションの訓練を積み重ねると力がつく」と提案します。

語彙(ごい)力を上げることも重要で、音と意味を結びつける練習をすると理解度がさらに増してくるそうです。

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