大学入学共通テスト 傾向と対策

国語の出題内容と平均点 センター試験と大きく変わらず

2021.03.16

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上野 創
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大学入学共通テストで、大学入試センター試験からの変化が少なかったと評されるのが国語です。過去2回の試行調査(プレテスト)では、生徒会規約や学校新聞、法律の条文など、「実用的な文章や資料」が現代文の問題で登場しました。しかし、本番の第1日程では、第1問が「妖怪観の変遷」を論じた評論、第2問が大正期の小説で、センター試験をほぼ踏襲。古文や漢文も、複数の題材が示されたり、単純な知識の確認にとどまらない問題が出たりしたものの、大きな変化はなく、国語全体の平均点は前年の119.33から117.51と少し下がった程度でした。(写真は、第1日程の国語の問題用紙。生徒の「ノート」が登場している)

複数の資料、応用的な思考力を問う

1月半ばの第1日程終了後、東京都立小金井北高校の進路指導担当、中根利和さんに話を聞くと、国語は他の教科と比べ、「(センター試験と)あまり変わってなかった」と話す生徒が多かったとのことです。

実践学園中学・高等学校進路指導部担当の広瀬享矢副校長は、国語科の先生から「紛らわしい選択肢や(試行調査であったような)図表、詩や書評などがなく、センター試験の形式に近い。過去問を繰り返し行っていた受験生には有利だったのでは」という感想が届いたと話しました。

駿台予備学校の現代文講師、清水正史さんも「試行調査では図表や写真、法律の条文などが登場し、かなりセンター試験と異なる問題が出ていたが、共通テストはセンター寄りだったというのが大きな印象」と語ります。

「評論も小説も、最後の方の設問以外はセンター試験とほぼ同じ形式。第1日程の問題で取り上げられた作品も、評論では学芸員の書いた文化論だし、小説は屈折した心理ということで、センター試験でよく出されていたものに近い」と言います。

一方、センター試験と異なる特徴として、「評論で出題された、生徒のノートで学習の過程を示したり、芥川龍之介の小説との関連を答えさせたりする設問」を挙げます。大学入試センターが、作問の方針として打ち出していた「学習の過程を意識した場面設定」に当たる新傾向のものでした。この問題を含む、複数の資料やテキストを読み込ませる形式は、試行調査で出題されており、センター試験とは異なる部分です。

小説では、本文で取り上げられた作品に対する批評文を示し、どのように批判しているのかを受験生に考えさせる設問がありました。さらに次の設問では、その批判的な評者とは異なる見解を示した選択肢の適否を考えさせています。

清水さんは「単純に書いてあることを理解するだけでなく、別の作品が登場したり、作品に対するさまざまな見方を考えさせたりして、応用的な思考を求めている」と分析します。

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