大学入学共通テスト 傾向と対策

数学でも問われた「読解力」 論理立てて答えられることを重視

2021.03.17

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上野 創
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初めて実施された大学入学共通テストで、数学は他教科と同様、日常生活に関わる身近な題材や、会話文や説明文で思考過程を導くタイプの問題が出ました。過去2回あった試行調査(プレテスト)ほどの長文はなかったものの、問題文の分量は大学入試センター試験より増加し、数学の試験でありながら「読解力」が求められました。予備校の数学科の先生たちに、問題の特徴と本番までに勉強すべきことを聞きました。(写真は、第1日程の問題冊子と「共通テストらしい」と指摘された問題)

日常的な題材を数学的に解決

共通テストについて、大学入試センターが重視したのは、「知識の理解の質を問う問題」「思考力、判断力、表現力が求められる問題」「学習の過程を意識した場面設定」など。数学もその方針に沿って、センター試験と特徴が異なる問題が出ました。

「数学I」「数学I・A」は、当初、予定されていた記述式問題が見送りになったものの、解答時間が10分長い70分になる点はそのまま残りました。問題冊子のページ数が増え、読み解いて解答するのに時間を要したため、受験生の余裕はなかったとみられます。

河合塾の講師、依田栄喜さんが「共通テストらしい」と評したのが、第1日程の数学Ⅰ・Aで出た100メートル走の問題です。1歩あたりの進む距離(ストライド)と1秒あたりの歩数(ピッチ)を2次関数などの関係式にして、最速になる場合を考えるものでした。

依田さんは「入試センターは、日常にある事象を数学的に解決するという問題を出す方針で、試行調査でも多く出ていたので、こうした出題は予想通り」と話します。

第2日程でも、文化祭で販売するたこ焼きの利益と販売価格を2次関数で考える問題が出ました。

「数学Ⅱ・B」も含め、依田さんは「内容的には良問が多い。しかし、正しいものを選択肢から選ばせる設問が増えたため、きちんと理解していなくても正解してしまうという、マークシート方式の限界を感じた」と語ります。

「また、思考力を問うと言いながら、解き方の誘導が丁寧すぎるものもあって気になる。本来は自分で考えて解答する記述問題を、マークシート方式に変えたようにもみえる。一方で、各問題の後半では、前半の条件や設定を変え、あるいは一般化し、前半での思考プロセスを追体験させるような問題も目立った」

平均点は、予想していたより高かったと言います。「これまで挙げた理由により、数学をちゃんと理解している生徒とそうでない生徒の差がつきにくかったのではないか。それも選択式であるマークシートの限界」と語ります。

約1年後に挑む受験生に対しては、「共通テスト用の勉強というより、教科書レベルをしっかり理解しておくことが大事」と語ります。「公式を覚えて、答えが出れば良いという構えでは歯が立たなくなる。公式を導き出すプロセスの理解、つまり基礎を徹底し、論理立ててしっかり解答する姿勢を身につけてほしい」

別の解き方を考える、他人に説明して教える、といった行為も、力を身につけるには有効と勧めます。「会話文が登場したり、文章量が多かったりする問題文に慣れておく必要はある」と話しました。

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