〈PR〉公益財団法人才能開発教育研究財団

6人が文科大臣賞「全国児童才能開発コンテスト」受賞者インタビュー

2021.03.23

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この約1年の間、子どもたちはさまざまなガマンを強いられました。学校が休校になったり、夏休みが短くなったり、友達と遊ぶ時間も減ったり……。そんなコロナ禍の中でも、一生懸命に取り組んだ子どもたちの作品が多数寄せられた「第57回全国児童才能開発コンテスト」で、作文・図画・科学の3部門の入賞者が決定。コンテストの公式ホームページで上位作品が公開されています。
開催が予定されていた財団主催の表彰式は、今回は残念ながら中止に。その代わりに、最優秀賞にあたる文部科学大臣賞を受賞した6人の子どもたちに、喜びの声をインタビューしました。

図画部門(低学年の部)

『牛の仲間たち』
鹿児島県鹿児島市 市立和田小学校 3年
山下夏憐(やました・かれん)さん

えさを食べている3頭の牛の、それぞれの個性を模様やしぐさなどで描いた作品です。クレヨンと絵の具を上手に使いこなして、牛の体のツヤや牧草のふんわりした感じなども表現。牛の耳についた黄色いタグの番号まで、しっかりと観察しています。

昨年の夏憐さんの夏休みは、コロナ禍のため旅行に行けなかった代わりに、鹿児島市内にある親族の牧場で過ごしました。牛には小さい頃から慣れ親しんでいて、お手伝いも一生懸命にがんばりました。ひと夏の思い出を描いた絵には、生まれたばかりのちっちゃなときから見守っている子牛への愛情が、色彩豊かに感じられます。

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山下夏憐さん インタビュー

――賞をもらった気持ちを教えてください。

こんな賞は今までもらったことがありません。とてもびっくりして、お母さんは「うそかと思った」と言っていました。かっこいい表しょう状をもらって、うれしかったです。

――この牛は、どこで見た牛ですか?

おばあちゃんたちがかっている子牛です。夏休みにおばあちゃんの家に行って、えさやりをお手伝いしました。牛ごやもそうじしました。牛は、えさをあげようとすると、ついてきたりして、かわいいです。

――3びきのなかに、好きな牛はいますか?

はい。まんなかの「とし」と(耳の札に)書いてある牛です。毎日しりょうをいっぱい食べて、大きくなるのが分かります。

――何を使って絵をかきましたか?

絵の具とクレヨンです。クレヨンでかいて、上から絵の具を足してかきました。

――どういうところに気をつけましたか?

牛の色に気をつけてかきました。絵をかくのが大好きです。

――こんどは、どんな絵をかきたいですか?

しょうらいの自分のゆめの絵をかきたいです。ゆめは、かんごしになることです。

図画部門(高学年の部)

『かがやくホタル』
青森県八戸市 市立根城小学校 4年
久慈陽詩(くじ・ひなた)さん

題材となったのは、上手に飛べないことを悩んでいたホタルと、応援する仲間たちの童話です。優しいストーリーと、八戸市内でも自然が残る場所でしか見られないホタルの美しさ。陽詩さんの二つの体験が折り重なるように1枚の絵に表現され、光を放つホタルの仲間たちの姿が強く印象に残ります。

3年生の夏に見た実物のホタルの記憶に頼るだけではなく、家の懐中電灯を照らして参考にしながら、陽詩さんはホタルの美しさをどうやって描写しようかと工夫しました。絵が大好きな陽詩さんだからこその、光や色などの表現に真剣に向き合う姿勢は、すばらしい成果となって輝いています。

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久慈陽詩さん インタビュー

――この絵にかいてある人は、陽詩さんですか?

いいえ。『とべないホタル』に出てくる女の子と男の子です。学校で「いろんな本の、絵をかきましょう」というときに、私は『とべないホタル』をえらびました。とべないホタルがこまっているときに、なかまのホタルがとべないホタルを助けたというお話です。

――ホタルは見たことがありますか?

はい。八戸市の南郷というところへ、おばあちゃんたちと見に行ったことがあります。絵をかくときは、思い出してそのままかきました。

――ホタルはどんなふうに光っていましたか?

黄色くかがやいたりして、たくさんいました。いろんな色があって、近くで見られたり、遠くで見られたりしました。

――空の色や、ホタルの光がきれいです。どうやってかきましたか?

絵の具でかきました。空は、上はこくかいて、下はだんだんうすくかいていきました。ホタルの光は、たまたま懐中電灯を見つけて、懐中電灯にたとえてかきました。

――絵は得意ですか?

得意です。次にかくときは、動物や、『ごんぎつね』みたいな絵をかきたいです。

――しょうらいは、何をやりたいですか?

大人になったら、みんながにっこり笑顔になるような絵をいっぱいかきたいです。色はどうやってきれいになるかとか。色をまぜるとどういう色になるかとか。ということを、これからべんきょうしていきたいです。

作文部門(低学年の部)

『おうちうんどうかい』
愛知県岡崎市 市立井田小学校 1年
西優成(にし・ゆうせい)さん

「コロナなんかに負けないぞ」という気持ちが伝わってきて、大人にも元気を与えてくれるような作品です。優成さんは走るのが大好きで、将来の夢がパイロットという男の子。4月から1年生になったのに、楽しみにしていたことが何もできず、お姉ちゃんと「おうちうんどうかい」を計画。家族にも秘密の準備から、当日に負けた悔しさや、逆転した喜びまでが、生き生きと描かれています。

最後には「やっぱり早くコロナがおわってほしいです」と触れつつ、「いまやれることをなにかくふうしてたのしみたい」と前向きな言葉も。お母さんも「作文をがんばったりする中で、少しずつ自分を外に出せるようになってきました」と、逆境の中での優成さんの成長を見守っています。

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西優成さん インタビュー

――作文で1とうしょう、すごいですね!

さいしょはよくわからなかったけど、今はとてもうれしいです。 

――友だちや家ぞくは、よろこんでいますか?

クラスの友だちが「すごいね」と言ってくれました。お母さんは「がんばったね」とほめてくれました。おじいちゃんもおばあちゃんも、お父さんも、みんなよろこんでいます。

――この作文は、どんなところをがんばりましたか?

早くコロナが終わってほしいという気もちで書きました。やったことを思いだして、じゅんばんに書いて、たくさん字を書くことをがんばりました

――「おうちうんどうかい」は、このあともやりましたか?

2回目の「おうちんどうかい」は、「おうちなつまつり」をしました。スーパーボールすくいと、水でっぽうと、ヨーヨーつりをしました。とても楽しかったです。

――コロナのあいだは、何をしていましたか?

家でドリルをやったり、ねんどをつくったりしていました。こうえんにいって、ボールあそびをしていました。

――学校の「うんどうかい」がちゃんとできるようになったら、何をやりたいですか?

ときょうそうとか、うんどうじょうをいっぱいつかったえんぎをしたいです。みんなに見てもらって、おうえんしてほしいです。そして、おひるごはんに、たまごとかトマトとかが入ったおべんとうがたべたいです。

作文部門(高学年の部)

『目標を立てるだけ名人の私』
愛知県岡崎市 市立三島小学校 6年
杉田遥香(すぎた・はるか)さん

いつも努力が続かない「目標を立てるだけ名人」だった遥香さんが、お兄ちゃんとの陸上の特訓を通じて、小さな目標を一つ一つクリアしていくことの大切さに気づくというストーリー。自分の弱さを克服しようとするまでの心情が細かく描写されています。

実は、遥香さんは夏休みの宿題が進まず、お母さんに叱られて書き始めたという本作品。結果的に賞を取ってお母さんを見返すことができた一方で、怒られた内容をしっかりと受け止めて成長したことがうかがえる作文になっています。杉田家では、家族が話した面白いことを、付せんに書いてボードで共有しているそうです。「心に後かいのかさぶたができた」など、キラリと光る遥香さんの言葉のセンスは、家庭環境で育まれたのかもしれません。

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杉田遥香さん インタビュー

――前回入賞したのに続いて、今回は一番いい賞です。

前回よりも大きな表彰状をいただいて、鳥肌が立ちました。先生から聞いたときは、びっくりしたんですけど、うれしかったです。

――自分自身の欠点から始まる内容ですが、どんな気持ちで書きましたか?

夏休みの終わりに、お母さんとけんかをした後に書きました。私もまだちょっと怒っていました(笑)。

――文章がとても上手ですが、ふだんはどんな本を読んでいますか?

さくらももこさんの書いた『もものかんづめ』が面白くて、よく読んでいます。作文がうまくなりたくて読んでいるわけではないんですけど。

――どういう文章を書きたいなと、いつも思っていますか?

読んだ人が元気になったり、面白いなと思ってくれたりするような文章を書きたいです。 

――作文に出てくるお兄さんは、遥香さんにとってどんな存在ですか?

お兄ちゃんは中学3年生で、陸上部です。全国大会で優勝して1位になったので、かっこいいと思います。毎朝走ったりして努力しているので、私も負けずにがんばりたいです。

――「目標」について、大人になっての目標と、中学での目標を教えてください。

子どもが好きなので、将来は小児科の看護師さんになりたいです。中学では、一つ一つのテストや毎日の勉強を、少しずつがんばっていこうと思います。

科学部門(低学年の部)

『テントウムシのひみつ パート3 ~なぜナナホシテントウはピタッと動きを止めるの?~』
岐阜県多治見市 市立根本小学校 3年
江﨑心瑚(えさき・ここ)さん

1年生のときからテントウムシの研究を続けている心瑚さん、今回でパート3です。いつもすばしっこく歩くテントウムシが擬死(死んだふり)をする気持ちを知りたいと思い、ひみつを探ろうとしました。動きを止める場所や条件などを調べて、100匹をつかまえて死んだふりの時間も測定しています。

大変だったのが100匹分のえさで、アブラムシを家族みんなで探しにいきました。ひっくり返ったときの態勢を心瑚さんが体験するために、お父さんが一緒に作ってくれたのは大きなこうら。虫の気持ちを理解しようとする心優しい心瑚さんの個性を伸ばしてあげようと、家族に温かく見守られて興味深い研究が完成しました。

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江﨑心瑚さん インタビュー

――賞をもらって、どんな気持ちですか?

本当にゆめみたいだと思い、とてもうれしかったです。すてきな賞をありがとうございました。(副賞の)ずかんもいっぱいとどいて、『こん虫』を読みました。

――テントウムシのどこが好きですか?

小さい体で一生けんめい生きるすがたが、かわいいです。ナナホシテントウとナミテントウ、ヒメカメノコテントウをかっていました。

――今回はどんなけんきゅうをしましたか?

大好きなナナホシテントウが、ピタッと動きを止める様子がとてもふしぎだったので、その理由をくわしく調べて知りたいと思いました

――けんきゅうのために、テントウムシを何匹つかまえましたか?

100匹ぐらいつかまえました。(けんきゅうが)終わったら、にがしてあげました。

――どんなことが分かりましたか?

ピタッとタイム(死んだふりの時間)は、成虫で18分35秒も止まっていました。起きるときは、あしを引っかけて立ったり、とんで起きあがったりします。

――次は、どんなけんきゅうをしたいですか?

ナナホシテントウは、よう虫のときから死んだふりをおぼえていることが分かりました。よう虫も、くわしく調べてみたいです。

科学部門(高学年の部)

『飛べ!カイコ! ~戻し交配によってカイコは飛べるようになるのか?~』
茨城県つくば市 市立竹園東小学校 6年
八田曉美(はった・あきみ)さん

カイコの話題になると、ずっと笑顔を絶やさずに、詳しく丁寧に教えてくれる曉美さん。彼女のカイコへの強い思いは、3年生から始まった研究を飛躍的なレベルアップに導きました。4年生で紫外線カットの実験、5年生で形質遺伝の研究。そして今回は、カイコを野生種のクワコと交配して、空を飛べるようにしようという挑戦です。見事に、色が白くて、飛ぶ能力を持つ個体が誕生しました。

「飛ばせてあげたい」という子どもらしい動機の研究ですが、思い通りに動いてくれない動物を観察する粘り強さと、ち密なデータ分析が必要です。大人も顔負けの発表をまとめ、曉美さんはあこがれの「カイコ博士」への道を着実に歩みつつあります。

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八田曉美さん インタビュー

――賞をもらった感想を教えてください。

私の自由研究がインターネットとかにのって、カイコの魅力やすごいところをみんなに知ってもらえることが、すごくうれしいです。カイコは、ウネウネした虫だと言う人もいますけれど、かわいい虫だと思ってほしいです。

――カイコの研究を始めたきっかけは何ですか?

お母さんがカイコの糸で作ったうちわを見せてくれて、興味を持ちました。富岡製糸場にも行って、カイコにすごくあこがれてしまいました(笑)。

――カイコのどういうところが好きですか?

成虫になると、まっしろで毛もフワフワで、天使みたいだなぁって思います。幼虫のときも、じっと手の上にのってくれてかわいいです。あと、感情が表れるみたいなところがあって、おでこをつつくと顔をひっこめて痛そうな顔をするんです。

――今回、飛べるカイコを交配で生み出そうと思った理由は?

クワコはカイコの祖先なんですけど、クワコは飛べるのにカイコは飛べない。カイコが飛べない理由は、いっぱい糸を取るために家畜化して、逃げないようにしているからです。自分としては、カイコを飛ばして、楽しみを増やしてあげたいなと思いました。

――研究で難しかったところは?

メスが1日しか交配できないから、計画したスケジュール通りには進まなくて、生き物は大変だなと思いました。

――将来の夢はありますか?

カイコ博士になるのが夢で、九州大学に行きたいです。九州大学には、800種類のカイコが保存されています。カイコを使って新型コロナウイルスのワクチンの研究もしているそうです。

他の上位入賞者の作品と、第50回以降の過去の受賞作品はこちら。

「全国児童才能開発コンテスト」

公益財団法人才能開発教育研究財団が主催し、文部科学省などが後援。全国の児童から図画、作文、科学の3部門で作品を募集しています。児童の「豊かな感性・情操」を養うとともに、基礎学力である「文章による表現・コミュニケーション能力」「創造的な表現力」「科学的な思考力」を育て、 小学生の文化的・科学的才能の育成をめざすことをねらいとしています。

【図画部門】
応募点数:1万1021点
審査員:黒井健 (絵本画家)、小林貴史 (東京造形大学教授)、小林恭代(文部科学省教科調査官)、田窪恭治(美術家)、水島尚喜(聖心女子大学教授)

【作文部門】
応募点数:5250点
審査員:大塚健太郎(文部科学省教科調査官)、岡信子(日本文藝家協会理事)、小森茂(青山学院大学名誉教授)、藤田のぼる(日本児童文学者協会理事長)、矢部美智代 (日本児童文芸家協会顧問)

【科学部門】
応募点数:190点(28地区(県・市)からの推薦93点、学校長推薦97点)
審査員:黒田玲子(中部大学特任教授)、露木和男 (元早稲田大学教授)、鳴川哲也 (文部科学省教科調査官)、湯本博文(元学研科学創造研究所長)

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