企業入社難易度ランキング

「10年間で入社が難しくなった企業2020」 商社・金融・不動産 ランキング上位40社 1位は三井住友銀行

2021.03.23

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井沢 秀
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学生が志望する業種や人気企業は、時代の環境とともに変遷する。企業の盛衰も時とともに移り変わる。ある業種で3番手、4番手だった企業がトップに躍り出たり、逆に花形だった業種や企業が落ちていったりすることもある。大学通信が算出している「企業入社難易度」を活用して、2020年と2010年を比較することにより、この10年間で入るのが難しくなった企業を検証した。業種別の第二回は商社・金融・不動産。大学通信の井沢秀・情報調査・編集部部長が解説する。

採用減でメガバンクの難易度上昇

この10年で企業入社難易度が1ポイント以上上昇し、入社が難しくなった企業ランキングを見ていく。今回は、商社・金融・不動産編。

10年前と比較して、最も難易度が上がったのは、三井住友銀行。6.7ポイントの上昇は、調査対象とした全企業の中で、丸井グループと並ぶ最も高い値で、小数点第2位以下の差で全企業の2位になる。

2010年と比較すると、採用判明数は907人から602人に減少しているが、難関大からの採用数は増えている。採用が多い大学を10年と比較すると、慶應義塾大48人→66人、早稲田大46人→65人、大阪大25人→39人、神戸大28人→37人、京都大21人→33人となっている。難関大の採用が増える一方で採用数の抑制に伴い、入試難易度50以下の大学は、72大学285人から7大学10人と大幅に減少。中堅以下の大学からの入社は難しくなっている。

メガバンクでは、三菱UFJ銀行が25位。三井住友銀行とは対照的に、採用数が多い難関大は10年より採用が減少したところが多く、慶應義塾大68人→65人、早稲田大57人→50人、一橋大15人→22人、東京大40人→19人、同志社大28人→18人。それでも、入試難易度60以上の大学が、14大学234人から18大学293人となり、難関大の裾野が広がっていることが入社難易度を押し上げている。

みずほフィナンシャルグループは入社難易度が5.7ポイント上がっているが、採用数が3分の1に減少しており、10年前に比べて採用数が半分以下に減った企業は除く、という基準に沿って未掲載とした。

2位のオリックスグループは、リース事業から始まり、融資、事業投資、生命保険、銀行、資産運用、不動産業務など多角的な事業を展開し、環境エネルギー事業にも進出している。採用判明数が64人から226人と増加するのに伴い、入試難易度60以上の大学は、1大学4人から12大学67人に増加した。採用が多い大学を10年と比較すると、明治大4人→18人、関西学院大0人→16人、法政大4人→15人、早稲田大4人→15人、関西大2人→13人となっている。

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