部活と勉強 両立するのか

ベネッセ・木村治生さん「部活動と学習時間の関係はほとんどない」

2021.03.23

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中村 正史
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部活動の活動時間は学習時間にどれくらい影響があるのでしょうか。部活動の時間と学業成績には関係があるのでしょうか。それは中学校と高校で違うのでしょうか。中高生や保護者の関心が高い部活動と学習との関係について、生徒や保護者、教員の意識や実態の調査・研究を続けているベネッセ教育総合研究所の木村治生・主席研究員に聞きました。(写真は、部活動体験会で中学生と合奏する高校の音楽系部活動の生徒たち)

木村治生

話を聞いた人

木村治生さん

ベネッセ教育総合研究所主席研究員

(きむら・はるお)2000年、ベネッセコーポレーション入社。子ども(乳幼児~大学生)、保護者、教員を対象とした意識や実態の調査研究、学習のあり方についての研究などを担当。文部科学省や経済産業省、総務省から委託を受けた調査研究にも数多く携わる。専門は社会調査、教育社会学。

自宅時間が増えても学習時間は増えない

――2018年に「部活動の役割を考える」というレポートをベネッセ教育総合研究所のサイトで出しています。部活動と学習時間に関する最新の調査データはありますか。

東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所が小1から高3まで約2万人を対象に15年から行っている「子どもの生活と学びに関する親子調査」は、現在も継続しています。部活動の活動時間は、18年にスポーツ庁が出したガイドラインで減り、20年は新型コロナウイルスで減っています=下のグラフ。

ベネッセ・木村治生さん「部活動と学習時間の関係はほとんどない」
ベネッセ・木村治生さん「部活動と学習時間の関係はほとんどない」

グラフの活動時間は、部活動に入っていない生徒も含めた平均の数字です。中1から高2までの活動時間は、15年から18年までは1日平均80~120分でしたが、ガイドラインが出た翌年の19年に明らかに減りました。1日当たりの活動時間はそれほど減っていませんが、活動日数が週6~7日あったのが5~6日に1日程度減りました。

20年は新型コロナで学校の多くが休校になった時期を除いた6月以降の数字です。

――部活動の時間が減っても、学習時間は増えていないように見えます。

学習時間というのは①宿題、②宿題以外の家庭学習、③学習塾、の三つがあります。19年以降に部活動の時間が1日平均で20~30分減って自由に使える時間が増えたのに、学習時間は増えていません。さまざまな調査を見ても、自宅にいる時間が増えても自主的な学習時間は増えないのです。

増えたのは、テレビ、スマホ・携帯、PC・タブレット、ゲームなどのメディア時間です。コロナ禍は特に顕著です。学校の滞在時間はふだん、授業や部活動、通学時間を含めて10時間くらいですが、コロナ禍でこの時間がステイホームになっても、学習時間は30分程度しか増えていません。宿題の時間が増えただけです。

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