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情報の本質を理解し、新しい社会を創造 筑波大学知識情報・図書館学類

2021.03.31

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濱田ももこ
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筑波大情報学群に設置されている知識情報・図書館学類。前身は、図書館職員の養成と情報科学の研究のために創設された図書館情報大だ。図書館情報学という学問は時代のニーズに合わせて形を変え、情報を扱う最先端の学びを目指している。(写真提供/筑波大)

ここ40年ほどで、「情報」を取り巻く環境は大きく変わった。知識情報・図書館学類は、その情報の扱い方を学ぶ学類だ。学類長の歳森敦教授はこう説明する。

「図書館情報学というと、『司書の資格や図書館の経営について学ぶんでしょう』と言われがちですが、それだけではありません。図書館に代表されるさまざまな知識情報の蓄積と利用の研究にはじまり、本学類は情報化の進展とともに名前を変えてきました

人文社会学を含めた「情報学」を学ぶ

同学類はもともと図書館情報大として存在し、2002年に筑波大と統合。07年の学群再編で情報学群のなかに設置された。時代が進み、情報の蓄積場所はインターネットが大きな役割を担うようになったためだ。

「情報学はコンピューターサイエンスや工学などのイメージが強いですが、本来はもっと幅広く、人文社会学の側面も持つ学問です。情報学のなかでも、文理融合の学びを目指しています」(歳森教授) 

知識情報・図書館学類の歳森敦学類長。「幅広い分野に興味を持つ学生に来てほしい。一人ひとりのニーズに応えることができる学類だと自負しています」
知識情報・図書館学類の歳森敦学類長。「幅広い分野に興味を持つ学生に来てほしい。一人ひとりのニーズに応えることができる学類だと自負しています」

情報学群は、情報科学類、情報メディア創成学類を含めた三つの学類からなるが、知識情報・図書館学類は唯一、文系・理系ともに受験が可能だ。講義内容や教授陣もバラエティーに富んでいる。図書館情報大の創成期から在籍する学群長の中山伸一教授は、「学びたいと思うことに対応できる教員がそろう」と言う。

「情報検索やアプリ開発などの技術的なアプローチはもちろん、情報の利用に関わる著作権、特許、法律、さらに倫理の学びも必須です。一つの学問領域に複数の教員を配置し、どの分野もまんべんなくカバーできるように配慮しています。図書館情報学の領域にも、学校図書館、公共図書館、大学図書館など、それぞれを専門とする教員がいます」(中山教授)

知識情報・図書館学類4年生の四家武彦(しけ・たけひこ)さんは、同学類の学際的な学びに引かれて進学を決めたという。

「もともと理系コースを選択していましたが、政治や経済など、社会に関する学問にも興味を持っていました。この学類なら入学したあとでも、自分の得意なことや究めたいことに応じて学べるのでは、と考えたんです」

印象に残った講義は「学術メディア論」だという。学術論文など、研究の成果として生み出された情報の流通や仕組みと、それを担う研究者や機関、媒体について学ぶ講義だ。

「『ネイチャー』や『サイエンス』など大手学術誌は購読料がかかるが、有益な情報を得やすい。一方、大学の機関リポジトリで公開されている論文などは無料で早期に閲覧できるが、査読前のものも含まれるなど、内容の重要性や正確性について自ら検討しなくてはならない、ということなどを学びました。なかでも面白いと思ったのが、研究者には自分の成果をどう見せたいのか、どこで発表したいのかという見えや欲もあり、それが学術情報の背景にあるということ。情報は無機質なものではなく、生々しいものなんだな、ということを感じましたね」 

2年生のときに学生代表を務め、会議に臨む四家武彦(しけ・たけひこ)さん(写真右上)。「自分の立場を踏まえどのような言動が適切か、情報を発信する際のバランス感覚が身につけられたと思います」
2年生のときに学生代表を務め、会議に臨む四家武彦(しけ・たけひこ)さん(写真右上)。「自分の立場を踏まえどのような言動が適切か、情報を発信する際のバランス感覚が身につけられたと思います」
 
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