どうなる中学・高校入試

首都圏中学入試 「コロナ不況」でも私立人気が続いた理由

2021.03.25

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斉藤 純江
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大都市圏では緊急事態宣言下での実施となった2021年の中学入試。経済不況もあり、受験者の減少も予想されましたが、首都圏では昨年に続き受験者数が増えました。今年の中学入試の特徴や来年の展望を、2人の専門家に聞きました。(写真は、駒場東邦中の入試会場で、検温と消毒をして入場する受験生と保護者=2021年2月1日午前7時19分、東京都世田谷区、瀬戸口翼撮影)

私立のオンライン対応に期待感

首都圏模試センターの推計では、2021年の首都圏の私立・国立中学受験者数は約5万50人。昨年より約650人増え、7年連続で増加しました。受験率は16.86%で、首都圏の6年生の約6人に1人が私立や国立の中学を受験したことになります。同センター教育研究所長の北一成さんは「ここ30年ほどで受験者数が5万人を超えたのは、バブル期の1991年と、リーマン・ショック前の2007年だけでした。今年は受験率も上がり、私の知る限り過去最高でした」と話します。

08年のリーマン・ショック後、不況から中学受験者数は減ったものの、ここ数年は大学入試改革に対する不安などから、受験者数や受験率は上昇傾向でした。コロナ禍にもかかわらず減らなかった理由について、北さんは、これまで受験勉強を続けてきた受験生とその保護者が、不況下であっても簡単には受験を諦めなかったことや、休校期間中も多くの私立校がオンラインで学習を続けており、公立校との差が顕著だったことなどを挙げます。北さんは「コロナ禍が続く中、私立校の中には探究学習やグループ学習もオンラインでできる学校が出てくるなど、公立校との差はますます広がっています。五輪が終わり、景気が悪化したとき、受験生や保護者の動向が変わる可能性はありますが、それでも私立校の人気はしばらく続くでしょう」と予想します。

北さんは、コロナ禍の今年も、プレゼンテーション型入試やプログラミング入試、英語入試、適性検査型入試など、従来の教科型にこだわらない多様な入試が広がる傾向は変わらなかったと言います。「現在の小学生は、24年度実施(25年度入学)の新入試制度が始まった後に大学受験をする世代です。AI時代を迎え、グローバル化する世の中で必要とされるのはどんな能力なのか、社会の変化に合わせて大学入試も変わろうとしています。中学入試は大学入試よりも早く、その変化を反映したものになってきています」と話します。

多様な入試は難関校ではまだ少ないですが、関西では東大や京大に多数の合格者を出す西大和学園中(奈良県河合町)が、グループディスカッションやプレゼンテーションなどを取り入れた「21世紀型特色入試」を実施しています。「コロナ禍が保護者世代の価値観や志向が変わるきっかけになり、週の大半を塾通いに費やして中学受験準備をする家庭が減少傾向になると、潜在的な能力や素質のある子を受け入れるタイプの入試は、さらに広がるかもしれません」

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