学習と健康・成長

発達が気になる子どもを応援、苦手を「できる!」に変える勉強グッズ 開発の工夫を深掘り

2021.04.20

author
有馬 ゆえ
Main Image

発達に明らかな偏りがなくても、日常生活で何かしらの困難を抱えている子どもは少なくありません。発達障害ポータルサイト「LITALICO発達ナビ」と、通信販売などを行う株式会社フェリシモは、そうした子どもと家族の悩みを解決するコラボレーション商品を開発しています。その中から、学習に役立つグッズを紹介。開発の際にどんな工夫をしたのか、どんな感想が集まっているのか、「LITALICO発達ナビ」編集部とフェリシモに聞きました。

発達が気になる子の「できた!」につながる学習グッズ

近年、脳の発達には人それぞれ偏りがあることが知られるようになってきました。注意欠如・多動性障害(ADHD)や自閉症スペクトラム(ASD)、学習障害(LD)といった発達障害だけでなく、診断は下らないものの整理整頓がとりわけ苦手、頻繁に忘れ物をしがちといった傾向のある子どもは少なくありません。

現在、そうした子どもの日常生活での困りごとを解決するグッズが、少しずつ製品化されています。発達ナビとフェリシモのコラボ商品は、その一つです。発達ナビ編集部の牟田暁子さんと フェリシモの永冨恭子さんに、学校生活や学習に役立つアイテムの特徴を聞きました。

「やること」と「やったこと」を可視化するタスクチェッカー

タスクチェッカーは、複数のタスクをこなす場面を想定して開発されたアイテム。「朝起きたらすること」「学校から持ち帰る物」「寝る前にすること」などのタスクを一覧化し、「やること」と「やったこと」を可視化できます。

発達_1
タスク管理がしやすくなるタスクチェッカー(フェリシモ提供モニター画像)

「アンケートで声の多かった、するべきことが複数あるときに何が終わったのか忘れたり、別のことに気を取られて、今何をしているのかわからなくなったりするお子さんに向けて開発しました」(永冨さん)

「保護者は、家庭でのタスク管理をサポートできても、学校の下校準備は直接サポートすることはできません。タスクチェッカーをランドセルに引っ掛けておけば、忘れ物がないか、子ども自身でチェックできるのが便利ですよね」(牟田さん)

日常生活のルーティーンがスムーズに進めば、保護者や教師に叱られることも減り、子どもが「自分でできる」と自信を持てるようになります。

メッシュで見やすく大人も使えるトート&ランドセルインナー

トート&ランドセルインナーは、ランドセルの中身を整理できるポケット付きインナー。注意が散漫だったり、整理整頓が苦手だったりする子どもたちの、「忘れ物を防ぎたい」「スムーズに中身を出し入れしたい」というニーズに応えて開発されました。

発達_2
トート&ランドセルインナー。物の指定席が決まっていることで、何が入っていないかがわかりやすく、忘れ物防止にもつながる(フェリシモ提供モニター使用画像)

「目で見て理解することが得意な“視覚優位”の子どもは、『見えない=ない』と思ってしまうこともあります。そのため、中身が見えやすいようにメッシュ素材を使用。それぞれのポケットの色と高さを変え、筆箱や教科書、プリントなどのアイテムアイコンがつけられるようにするなど、物の“指定席”がわかりやすい構造になるよう工夫しました」(永冨さん)

同製品は保護者や先生はもちろん、利用者たる子どもにも好評。特別支援学級に通う小学2年生の子どもがこのアイテムを使ったところ、1カ月間忘れ物をしなかったそう。

発達_3
大人向けに販売した落ち着いたカラーの「メタリックメッシュリュックインナー」

「同シリーズで大人向けリュックインナーを整理整頓が苦手で、視覚の過敏性もある編集部メンバーも使用しているのですが、パステル調の色味なので使いやすいと話していました。ハッキリした色使いだと目が痛くなるそうです」(牟田さん)

おうちで集中できるデスクパーテーション

折りたたみ式の「デスクパーテーション」は、パッと開けば学習環境を作ることができるアイテムです。

発達_4
さっと広げれば使える「デスクパーテーション」。きょうだいの様子やテレビなどが気になって集中できないときも、自分だけの空間を作って作業できる(フェリシモ提供モニター使用画像)

「従来のデスクパーテーションはカラフルな色味や派手な柄のものが多く、それが視覚的な刺激になるとユーザーから聞き、落ち着く色味を採用しました。また、ポケットが多すぎると混乱するので、A4サイズの紙が入るマチ付きポケット、小ポケット、プリントやドリルが挟めるクリップなど、最低限の機能をそろえ、シンプルな仕様に落ち着きました」(永冨さん)

「発達に特性がある子どもは、切り替えが苦手だったり、何かを中断して再開するのが難しかったりします。デスクパーテーションは、開けば瞬時に勉強する空間を作れるため、気持ちの切り替えに役立ちます」(牟田さん)

そのほか、かばんなどにクリップで止めておいて片手で鍵を取り出せる「リール付き本革キークリップ」、「ひとまとめで整理らくちん 取り出しやすいお道具箱」などもユーザーからの支持を集めるアイテム。

「眼鏡がない時代は目の悪い人は日常生活で不便を強いられていました。でも、眼鏡が認知されてからはスムーズに生活が送れていますよね。それと同じように、特性のあるすべての人がツールや仕組みによって、サポートしてもらえる社会になってほしいです」(牟田さん)

日常生活に困難を抱える子どもと保護者は、『○○ができない』と感じがち。当事者をサポートするツールがあれば、本人も周囲も自信を持てるようになるのです。

新着記事