一色清の「このニュースって何?」

スエズ運河でコンテナ船座礁 → 地球儀を見てみよう

2021.04.02

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一色 清
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日々のニュースの中に「学び」のきっかけがあります。新聞を読みながら、テレビを見ながら、食卓やリビングでどう話しかけたら、わが子の知的好奇心にスイッチが入るでしょうか。ジャーナリストの一色清さんが毎週、保護者にヒントを教えます。(写真は、スエズ運河で座礁した大型貨物船。手前は救援船=スエズ運河庁提供)

貿易はいまも船が主役

3月23日、地中海と紅海を結ぶスエズ運河でコンテナ船が動けなくなりました。強風にあおられたようで、船首が運河のふちにぶつかり、土砂にめりこんでしまったのです。このコンテナ船の持ち主は日本の海運会社です。コンテナ船は、長さが約400メートルもある世界最大級の大きさです。一方で運河の幅は300メートルほどです。斜めになったコンテナ船は運河をほとんどふさいだ格好になって、ほかの船は通れなくなりました。

地球儀か世界地図を見てください。ヨーロッパとアジアを船が行き来する際、スエズ運河がなければ、どこを通ればいいでしょう。アフリカの南の端にある喜望峰を回ってインド洋を北上しないといけません。スエズ運河はこんなに大回りする必要がなく、近道になっていることが分かります。船のスピードにもよりますが、スエズ運河を通るほうが、ヨーロッパとアジアを結ぶ日数を10日近く短縮できます。その分、燃料費や人件費が節約できますし、地球温暖化の原因になる二酸化炭素の排出も少なくてすみます。

世界の貿易は船によるものが大半です。船は鉄道、トラック、航空機よりずっと多くのモノを積むことができて安上がりなのです。スエズ運河を通るモノは、重さベースで世界の海上貿易量の約1割にもなります。座礁したコンテナ船は29日に動けるようになり、スエズ運河の通行不能は6日間ですみましたが、長引けば貿易量が減ったり、かかる費用が増えたりして、世界経済に大きな打撃となるところでした。

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