いまこそ、医学部

「限界からもう一歩進む」「励まし合ってコツコツと」… 医学部合格者の声(一般選抜編)

2021.04.08

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庄村 敦子
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山下 知子
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新型コロナウイルスの感染拡大で学校が休校になるなど、困難な中での受験となった2021年度医学部入試。その中で合格通知をつかんだ、合格者たちの声をお届けします。

伊藤由宇さん 宮城県仙台第二高→山形大医学部

伊藤由宇さん
伊藤由宇さん

父が精神科の開業医で、幼い頃から父を通して医師の仕事を知り、憧れを持っていました。小学3年のときに東日本大震災が発生。父のクリニックにも津波が押し寄せ、院内は泥にまみれました。5日後に診療を再開すると、震災によって悲しみや不安を抱えるたくさんの患者さんたちが来院されました。患者さんたちの気持ちに寄り添い、頼られている父の姿を見て、「医師になりたい」という思いを強くしました。

仙台第二高校には、医学部志望の生徒が入る「医進会」というプログラムがあったため、すぐに入りました。総合病院見学や医学部体験会、大学教授による講話などに参加しましたが、一番心に残っているのは地域医療体験です。栗原市立花山診療所へ行き、医師が1人で診療している様子を見学しました。話を聞くなかで、地域医療に興味を持ち、あらゆる病気の初期症状に対応できる「総合診療医」になりたいと思いました。患者さんだけではなく、ご家族に対しても精神的に寄り添える医師になりたいですね。

斎藤嵩さん 淑徳高(東京)→帝京大医学部

予備校講師と斎藤嵩さん(右)
予備校講師と斎藤嵩さん(右)

中学生までプロのレーシングドライバーを目指していました。全日本の大会にも参加したのですが、そこそこの結果しか残せず、諦めました。「将来どうしようか」と考えた時に、開業医の祖父と父の姿が浮かびました。親から「医師になれ」と言われたわけではありません。いま思うと、最初はなんとなく目指しましたね。

数学が苦手で、浪人当初は「他の科目で取れればいいや」と諦め気味でした。間もなく、それでは無理だと気づき、通っていた予備校「メディカルラボ」の先生に言われたことを繰り返して実践しました。ちょっとでもいいので進む、限界を見つけてももう一歩進もうと思ってやる。その結果、成績は伸びていきました。入試では、選択科目で数学を選べるほど、自信もつきました。

浪人生活に入り、本気になり始めた頃に難病を発症しました。2週間、点滴だけで過ごし、体重は10キロ近く落ちました。体力を戻すのも大変で、今も通院しています。焦りもありましたが、なぜ医師になりたいか、医師になってどうしたいかを改めて考えることができましたし、患者としての経験は将来にきっと生かせると前向きに捉えています。

祖父と父の姿を見て、地域の医師として人々に寄り添い、関わっていけたらと思っています。祖父母はいま、ともに90歳を超えていますが、やはり健康寿命は大事だと思いますし、高齢社会を迎え、予防医学はより重要になります。また、今回のコロナ禍のような時、医師として的確な情報を発信することはとても大事だと痛感しました。医療と患者さんとの橋渡しができる、そんな医師になりたいと思っています。

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