「主体性」を引き出すノート作り

広がる「自学ノート」、かっこよく作る三つのポイント 保護者に大事なことは?

2021.04.08

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葉山 梢
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学習する内容を子ども自身が考える「自主学習ノート(自学ノート)」の活用が広がっています。ベネッセ教育総合研究所の2016年の調査では、全国の小中学校の半数近くが週1回以上、宿題に出していました。教え子のノートを集めた「小学生の究極の自学ノート図鑑」を出した関西学院初等部の森川正樹先生にノート作りのコツを聞きました。

森川正樹

話を聞いた人

森川正樹さん

関西学院初等部教諭

もりかわ・まさき/兵庫教育大学大学院言語系教育分野(国語)修了、学校教育学修士。2020年度版学校図書教科書編集委員、全国大学国語教育学会会員、授業UDカレッジ講師。授業塾「あまから」代表。「小学生の究極の自学ノート図鑑」(小学館)など著書多数。

勉強を「やらされる」から「やりたい」へ

自学ノートは10年ほど前、兵庫県内の公立小学校に勤めていたころに始めました。教師になったときから「書くことで人生を豊かにしてほしい」という思いがあり、作文や絵日記などいろいろな方法で「書く」取り組みをしていました。自学ノートもその一環です。

見開き2ページに一つのテーマを収めるのが基本です。自学なのだから、自分の好きなことを調べるのが一番大事。教師から言われてやるのではなく、好きなことを突き詰めるときのワクワク感を味わってほしい。「勉強は遊びなんだ」と思ったときの子どもは強いです。

かっこいい自学ノートを作る一つ目のポイントは、見開きのど真ん中にイラストを大きすぎるくらい大きく描くこと。はみ出してもいい。たとえば魚なら、水族館の水槽を動き回って見切れているような動きのある絵になります。絵を大きく描けば記述は少なくて済むので、初心者にもハードルが低くなるはずです。絵が苦手なら、写真を貼ってもOKです。

二つ目は、タイトルを書くこと。タイトルは家の柱のようなもので、ないとグラグラして落ち着きません。埋没しないよう、太めのフェルトペンで大きく書くといいですよ。

三つ目は、必ず自分の考え・意見を入れること。考察や疑問は勉強のベースになるもので、探究心を育む上でも大切です。高学年には「あなたの考えが書かれていなければ〝温度〟がない」と言っています。まずは一言でもいいので意見を書くことで、自分の作品になります。だんだん意見の割合を増やしていくといいと思います。

森川先生の「自学ノート」のポイント

(1) 自分の好きな題材を自由に選ぶ
(2) 見開きの真ん中に大きな絵を描く
(3) 自分の考え・意見を入れる

自学ノートを続けることで、根本的な勉強の習慣がつきます。机に向かうのがしんどい子はまずは10分から始めて少しずつ延ばしていき、自分から机に向かう素地を養ってほしい。本来、子どもは好奇心の塊です。好奇心はあらゆる勉強の源。私は年度初めに「勉強は義務じゃなくて権利だよ」と子どもたちに伝えます。勉強を「やらされる」から「やりたい」にシフトしていくのに、自学ノートは高い効果を発揮します。見開き2ページにまとめることで編集力や構成力も磨かれ、書くことに慣れる効果もあります。

自学ノートをやっていると授業ノートにも変化が出てきます。ノートは「自分でデザインするもの」という意識に変わるんですね。板書に加えて自分の意見をメモして、世界で一つのノートを作るようになる。低学年でも「青いモコモコの吹き出しを書いて、その中にメモしよう」と教えると、どんどん書くようになります=下の写真。モコモコが書きたくてたまらないんですね。板書を早く写し終わった子はメモでノートを埋めるので、退屈しません。自分のノートが誇らしいから、授業が終わると「写真撮って」と持ってきます。

広がる「自学ノート」 好きなものを楽しんで書いて

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