一色清の「このニュースって何?」

消費税込みの総額表示が義務に → ユニクロの値下げ率を計算してみよう

2021.04.09

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一色 清
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日々のニュースの中に「学び」のきっかけがあります。新聞を読みながら、テレビを見ながら、食卓やリビングでどう話しかけたら、わが子の知的好奇心にスイッチが入るでしょうか。ジャーナリストの一色清さんが毎週、保護者にヒントを教えます。(写真は、従来の税別価格を税込み価格に変えて値下げしたユニクロの店内表示)

税別表示はあくまで特例だった

春向きの服を買おうと思って、ユニクロに入りました。店内には「この春から値下げしました」という紙があちこちに貼られていました。そういえば、3月の新聞に「ユニクロ、9%値下げへ 消費税の総額表示にあわせ」という記事があったのを思い出しました。でも、貼り紙がなければ値下げしたのかどうか、消費者にはわかりません。店内にある商品の値段表示は「1990円」とか「2990円」とか、これまでと変わらないからです。

どういうことかを「1990円」の商品で説明しましょう。値下げ前は10%の消費税がかかる前の本体価格として「1990円」と表示していました。値下げ後には、10%の消費税を含んだ「1990円」と表示しています。つまり、お客さんが実際に払う金額は値下げ前には1990円+(1990円×0.1)=2189円だったのですが、今は1990円ですむので「値下げ」というわけです。

政府は4月からすべての小売店や飲食店に、消費者が実際に払う金額、つまり消費税を含んだ総額を表示することを義務づけました。消費者にとって大事なのは実際に払う金額なので、本体価格だけとか、本体価格+消費税とか、本体価格(税別)などといった表示は消費者にわかりにくいと政府は考えたわけです。実はこの政府の方針は消費税率が5%だった2004年から義務づけられていました。ただ、税率を段階的に引き上げるたびに値札を変えるのは手間がかかるため、特例として税抜きだけの表示も認めてきました。消費税を含んだ総額表示にすると、消費税が上がるたびに値上げしたような印象になって売れ行きが悪くなるという売る側の心配にも配慮したのです。ただ、19年に消費税率が10%になり、しばらくは税率の引き上げがなさそうになったため、特例をやめて総額表示を義務化しました。

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