ハイスクールラプソディー
化学者・発明家の村木風海さん 北杜市立甲陵高等学校 小学生で自宅にラボ 「火星移住」に向けて研究
2021.04.15

2019年に雑誌「Forbes」の「日本を代表して世界を変える30歳未満の30人」に選ばれた、化学者であり大学生でもある村木風海さん。人類の火星移住と地球温暖化防止の研究に取り組んでいます。
むらき・かずみ/2000年、山梨県出身。高校を卒業後、東京大へ進学。化学者、発明家、イノベーター、社会起業家。現在は大学に通いながら、「一般社団法人 炭素回収技術研究機構(CRRA)」代表理事・機構長。17年に総務省主催の「異能 vation プログラム」に採択される。19 年に大村智自然科学賞や、雑誌「Forbes」の「日本を代表して世界を変える30歳未満の 30 人」サイエンス部門を受賞。
「火星に住む」ための研究のきっかけは?
研究を始めて11年になります。きっかけは、物理学者スティーブン・ホーキング博士の冒険小説「宇宙への秘密の鍵」に出会ったことです。小学4年生のときに祖父がプレゼントしてくれました。ドラえもんの「どこでもドア」のような装置で子どもが宇宙旅行をする物語です。その中の火星の描写に心を奪われ、「僕は将来、火星に住むんだ」と決意しました。

僕は小さいころから分解や実験が好きで、プラレールはネジのひとつまでばらばらにして遊びました。地元の公立小学校にはなじめなかったのですが、両親は僕の科学への興味や知りたいという探究心の芽をつまないように、小学3年からは月1回、地元の山梨から東京のサイエンス教室に通わせてくれました。小学4年のとき、山梨学院大学付属小学校(現・山梨学院小学校)に転校したことで、人生が変わりました。先生が僕の「なぜ」にとことん付き合ってくれました。年間ひとつのテーマを徹底的に研究する「おや・なぜ・ふしぎ応援プロジェクト」という授業でも火星を研究。95%が二酸化炭素の大気で覆われている火星に住むには、二酸化炭素を回収する必要があることがわかりました。この授業を通して、勉強は学びの冒険だという思考ができるようになりました。
どんな高校時代でしたか?
中学から地元の中高一貫校、北杜市立甲陵中学・高校に進学しました。甲陵を選んだのは、学園祭を全力で楽しむ一方で学ぶときはしっかり集中する、そうした切り替えが上手にできている学校だと感じたからです。学校生活は楽しくて、高校時代は演劇部で役者をやったり、北杜市を活性化したくて、外国人観光客向けの多言語対応型ARアプリをつくる部を立ち上げたりもしました。学園祭の実行委員も3年間やりました。
