「主体性」を引き出すノート作り

「主体的な学び」ってそもそも何? 評価方法は? 歴史から振り返る意味

2021.04.14

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葉山 梢
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昨今、教育において「主体性」や「主体的な学び」が大事だとよく聞きます。しかし、イメージするものは人によって様々。先の見えない時代を生きる子どもたちに求められる「主体性」とは何なのでしょうか。(写真は、桐蔭学園中等教育学校でグループに分かれて話し合いをする生徒たち=2018年10月)

アクティブラーニングが発展

学習・授業論が専門の守屋淳・北海道大教授によると「主体的な学び」の歴史は古く、大正時代から一部の教育関係者の間で唱えられていたが、特に強調されるようになったのは1990年前後からだという。バブル経済が崩壊し、グローバル化や情報化が進展。環境問題や少子高齢化など、それまでにない新たな課題に直面し「自ら情報を収集して考え、解決法を探る力をつけるような教育が求められるようになった」と話す。96年の中央教育審議会の答申で「生きる力」が提唱され、98~99年の学習指導要領改訂で「総合的な学習の時間」が導入されたのも、その流れにある。

2020年度から小学校、21年度から中学校、22年度から高校で実施される新しい学習指導要領の総則には「主体的・対話的で深い学び」という言葉が登場した。そこに含まれる「主体的な学び」とは「学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら、見通しを持って粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげる」ことだと、文部科学省は定義している。

「主体的・対話的で深い学び」は、近年多くの学校で取り組まれているアクティブラーニングの発展型だ。アクティブラーニングが専門の溝上慎一・桐蔭学園理事長(元京都大教授)は、与えられた課題に興味を持って取り組む「課題依存型」から、テストなどの学習目標のため自ら計画を調整する「自己調整型」を経て、大きな人生の目標を達成するため努力する「人生型」へと深まる3層のスペクトラム(連続体)が、主体的な学びだと捉える。「文科省の定義にはこの3層が全部入っており、よくできている」と評価する。ただ「学校の授業でアクティブラーニングをやっても、『人生型』の主体的な学びまでつなげるのは難しいのではないか」とも指摘する。「キャリア形成は周りの大人やメディアに大きな影響を受ける。親は子どもの話をよく聞き、仕事以外にも社会とのかかわりをもってほしい」

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