保護者のためのネットリテラシー講座

子どものネット配信のリスク管理 ファミリーYouTuberとIT教育専門家に聞く

2021.04.27

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有馬 ゆえ
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子どもにとってYouTuberは憧れの存在。2020年に発表された「大人になったらなりたいものランキング」(第一生命保険調べ)では、YouTuber/動画投稿者は男子小学生の第2位に輝きました。動画制作の教育的効果も注目される一方、保護者として気になるのはネット配信の危険性(リスク)。子どもがネット配信を始める際の基礎知識をIT教育に詳しい松下孝太郎さんに、子どもと共に配信をすることへの想いをYouTubeチャンネル「Kira Kira USA」の“ママ”さんに伺いました。

Kotaro_Matsushita

話を聞いた人

松下孝太郎さん

(学校法人東京農業大学)東京情報大学総合情報学部 教授

(まつした・こうたろう)横浜国立大学大学院工学研究科博士後期課程修了、博士(工学)。画像処理、コンピュータグラフィックス、教育工学などの研究に従事。教育面では、プログラミング教育、シニアや留学生へのICT教育などにも注力している。著書に、『やさしくわかるデジタル時代の情報モラル(全5巻)』、『親子でかんたん スクラッチプログラミングの図鑑 【Scratch 3.0対応版】』(ともに技術評論社)、他多数。

ITや社会の仕組みなどが学べるネット配信 一方、子どもならではのリスクも

――まずは、子どもがYouTubeで発信を行うメリットについて、あらためて確認させてください。

大きく3つ考えられます。1つ目は、動画の企画、撮影、編集を通して、感受性豊かな年齢のうちに思考力、洞察力を養えることです。2つ目は、自らスマホやパソコン、ウェブツールなどを繰り返し使ううちに、自然とITの技術と理論を習得できること。

最後の3つ目は、経済的な社会の仕組みを学ぶ機会になること。例えば、撮影や編集にかかる作業量と、入ってくる収入を照らし合わせて「意外に儲からないな」「稼ぐのは大変だな」などと感じるのも、労働単価の概念を身に着けることにつながります。

動画による広告収入が発生すれば、自分のスキルを使って稼いだ経験にもなります。社会に出たとき、会社員だけではなく、副業を持ったり、起業して事業を立ち上げたりするのも可能なのだと思えるきっかけになるでしょう。確定申告をすることになれば、税金や簿記にも意識が向くはずです。

――逆に、リスクとして考えられることは?

匿名であっても顔出しをすれば、画像検索などで個人情報が特定される可能性が高まります。もし自宅の住所や学校がわかってしまうと、ストーカー被害や誘拐といったトラブルを招かないとも限りません。

また、著作権と肖像権を侵害してしまう危険性も考えられます。アニメのキャラクターや本などのコンテンツは、取り上げ方によっては著作権侵害にあたるケースも。街などで撮影した動画に面識のない人の顔が大きく映ると、肖像権のトラブルになりかねません。

子どもの場合は、外で写真や動画を撮影するときに、エキサイトするあまり他人の敷地に勝手に入ってしまうかもしれません。やっていいことと悪いことの判断が十分にできない年代なので、規制を設けずしたいようにさせるのは危険だと感じます。

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